イギリスの哲学者フランシス・ベーコン(1561~1626年)は「知識は力なり」と言った。
ベーコンは名門法律家の家に生まれて、ケンブリッジ大学を卒業した後、23歳の若さで国会議員になり、政治家としてはイギリスの法務大臣まで務めます。
ベーコンは、法律家・政治家としてよりも哲学者としての方が著名です。
有名な言葉が『知識は力なり』です。知識が豊かな人は、自信を持って物事に当たることが出来て、他人に対して強く影響を与える力を持つということです。今の時代では、何を当たり前のことを言うのか?と思うのですが、偏見や先入観が支配していた時代です。
正しい知識(普遍の真理)を持つこと、経験をすることが力であるというのも、斬新な考えでした。「理性と経験の融合」とも言います。
このベーコンが考えた科学的方法とは「帰納法(帰納的推論)」です。ベーコンは、科学を「観察や実験可能な事実に基づいて理論構築し,予測や一般化を行うこと」と定義しました。
「帰納法」とは、経験からの推論です。
例)ソクラテス(人間です)は死んだ
プラトン(同じく)は死んだ
☞「人間はいつか死ぬ」
一方で、「演繹法」とは、理論からの推論です。
例)人間はいつか死ぬ
ソクラテスは人間だ
☞「ソクラテスはいつか死ぬ」
そんなベーコンですが、少々風変りな方です。ベーコンは風邪をこじらせて亡くなるのですが、その原因はニワトリを冷凍保存できるはずだと考えたことです。細かい経緯は知りませんが、冬に雪を集めてニワトリの身体を凍らせようと作業して、病気になったそうです。
このベーコン先生は、海水から塩分を除去すれば飲めるはずだと考えたそうです。
当時としては、とても大胆な発想でした。大物哲学者で法律家なのですが、自分で実験をしてみるのです。土を入れたザルを10段重ねして、海水を濾過してみましたが、それくらいでは塩辛くて飲めません。それでも20段重ねると、塩辛いものの何とか飲めるようにはなったそうです。
海水を10回濾過すると少し塩辛くなくなる
さらに10回濾過するとマイルドになる
☞「海水を何度も濾過していくと、いつか真水になる」
ベーコン以降、海水の濾過技術は発展をして、現在では沖縄県や東京都などの離島、中東の国々などで、海水淡水化装置が大活躍です。
その最初が、17世紀初頭の大哲学者ベーコン先生でした。
※ 科学史的に正しいかどうかは保証しません。
※ スマートニュースに「あなたがベーコンについて知らないであろう9つのこと」という記事が載っていたので、あなたが知らないだろうフランシス・ベーコンのことを書いた次第です。
m(_ _)m