実質はともかく、日本国憲法は明治憲法を改正したものです。その明治憲法の本は、五箇条の誓文です。
8月15日に、アメリカのバイデン副大統領が日本国憲法はアメリカが起草したものだと、明言しました。とても異例な発言だったので、ニュースで大いに取り上げられました。
実質はその通りなのでしょうが、言わずもがなですね。
形式的には、日本国憲法は明治憲法(大日本帝国憲法)を改正したものです。現在の憲法改正論議でもわかるように、全く新しい憲法を創るというのはできません。
その明治憲法の本が、慶應4年(1868年)に大政奉還に当たって明治天皇が誓約をした五箇条の御誓文です。
五箇条の誓文と政体書(明治政府の体制を示す布告書)が、当時の各藩に届けられています。山口県文書館にも毛利藩に送られたものがあります。
五箇条の誓文を読むことは少ないと思うので、ちょっと紹介します。
ざっと、次の五つが書いてあります。
1.広く人材を集めて会議を行い、重要事項は議論を尽くして決定します。
1.身分の上下を問わず、心を一つにして経済を発展させます。
1.職業の区別なく、各自の希望を叶えられる社会にしていきます。
1.頑なな習慣(鎖国攘夷のこと)を棄てて、国際的な法理に従います。
1.知識を世界に求めて、国の基礎を活発にさせます。
150年前の江戸時代のものですし、天皇自らが天地神明に誓ったものですが、当時の日本でも民主主義は根付いていたように思われます。
これらの基本的な考え方は、現代でも変わりません。