中小企業のBCPは、平時に儲ける計画!

商工会などが中小企業・小規模企業のBCP(事業継続計画)策定を支援しています。

 

背景にあるのは、東日本大震災や熊本大地震などの震災や大規模水害など、自然災害の発生リスクが身近にあることです。少しお手伝いをしたのでコメントします。

 

先ずはじめに、自然災害のリスクは確かにあります。しかし、今日大震災がおこるかも知れませんが、水害など他のものを含めて100年起きないかも知れません。

BCPが自然災害が発生した時のリスクにそなえるだけのものなら、そんなあやふやなことのために経営資源を準備しておける中小企業や小規模事業者は少ないでしょう。

 

中小企業庁など公的機関が準備しているBCPマニュアルや雛型は、どうしても汎用的で形式的になってしまいます。中小事業者は、それぞれに特徴があります。取引先に言われて形式だけ整えるという場合はともかく、そうでなければ自分の考えでBCPを策定するべきです。

 

そのときに真っ先に考えることは、BCP(事業継続計画)で絶対に守らないとならないものは何か?です。答えは「生命」と「信用」の二つです。

極論すれば、これ以外のものは金で買えます。金も発災直後の数週間を乗り切れるだけあれば、保険や国や県などの手当てで何とかなります。

BCP計画で、飲料水ペットボトルの期限とか、書棚のガラスが割れないようにとかを検討するのも大切ですが、何十年も考え続けないといけないので、ちょっと脇に置いても構いません。

 

とにかく、「生命」と「信用」を失いかねないリスクは何で、それを守るということを考えます。

そして、BCPを策定して、平時にも儲けましょう。

 

BCPの 策定によって、会社内のコミュニケーションをはかることができます。情報を共有化して仕事の段取りがよくなり、協力や共助が進んで、労働生産性が高まります。結果として会社の業績向上につながります。

BCPの策定によって、同業者や協力会社とのコミュニケーションも強化できます。災害時の協力関係をつくるには、日頃から会話を重ねて、仕事でも協力し合うことが必要です。どんな業種でも仕事の波や、内容の変化がありますから、こういう連携は業績に直結します。

BCPの策定によって、自治体・警察・消防・地元住民・近隣商工業者・商工会・・との関係も深まります。そのときは、Give and Take です。自社が災害時に提供できる資源があるはずです。これを起点にすれば、会社の経営環境が一層よくなります。

 

また、災害はいつ来るかわかりませんが、必ずおこります。BCPの肝は、もし災害に見舞われたら被害を最小限に抑えて事業を細々と継続するということではありません。

もし災害に遭ったら、それを機会にして応急・復旧・復興の役に立つ事業を即座に実施できる計画をつくることです。機会を逃さず、事業を拡大して、会社を持続的に発展させられる計画にするのです。

 

最後にBCP計画をつくったら、言いふらしましょう。会社のアピールになりますし、信用が増して仕事が増えると思います。