IOCがロシアの国ぐるみのドーピング違反を黙認する決定をして世界を驚かせました。
IOCという機関は、もともと買収・汚職・不祥事のデパートのようなものです。そのIOCを少しでもクリーンにすることができるのではないかと期待されていたのが、バッハ会長でした。このため、今回のバッハ会長の決定には失望が拡がっています。
WADAですら、「IOCには失望した」というコメントを出したのは当然でしょう。世界の良識がある人々を唖然とさせました。
常識的に言って、国ぐるみで不正をしたことが明らかになった以上、その国は出場を禁止したうえで、潔白が証明できる選手に限って出場させるのが普通でしょう。
バッハ氏はロシアとの関係が、以前から噂されていたそうですが、ちょっと酷いですね。
スポーツの世界でも、大国の横車は通るようになってきて、世界の秩序を保つのは難しくなっています。ちょっと心配です。
WADAの下部組織にはJADA(日本アンチドーピング機構)があります。
☞ JADAのHP には・・「ロシア選手団のリオデジャネイロオリンピック競技大会への参加に関するIOCの決定について / 2016年7月24日、IOCからロシア選手団のリオデジャネイロ大会への参加に関する発表がなされました。
WADA独立調査委員会及び独立調査人報告書において指摘された「ロシア選手の潔白性に関する疑念」を踏まえ、WADAがIOCに対して勧告していたロシア選手団のリオデジャネイロ大会への参加拒否について、IOCが全面的な受入をしなかったことを遺憾に思います。」という抑制した批判が掲載されています。
JADAの加盟団体には、陸上・水泳などメジャー競技だけでなく、ダンス・ビリヤード・綱引き・ドラゴンボートなどなどいろんな団体が加盟しています。
逆に、以前は加盟していたのに脱退しているのが日本チェス協会です。
ビリヤードと同じく、チェスもスポーツとしてオリンピック競技となることを目指しているのは割と有名です。このため、国際大会ではドーピング検査も実施されていて、過去に日本代表選手が違反して失格となった事例もあります。
日本はチェス競技では後進国でしょうが、将棋の伝統があります。
おそらく、日本で最も強いチェスプレーヤーは羽生善治(将棋)だと言われます。FIDA(国際チェス連盟)のレーティングで日本人1位、アジアで237位・世界で2183位です。
現在、日本の競技チェスは日本チェス協会の度重なる不祥事と私物化によって、機能しておらず事実上崩壊しているようです。そして、JADAにも加盟していません。
つまり、日本のチェスプレーヤーはドーピングの判定ができないので、国際大会に出場することができません。このため、日本人でも海外のチェス協会に所属している人もいます。
何かの対策を取れないものか?と思います。
どうも、こういうマイナー?な競技連盟の運営は難しそうですね。バスケットや空手のゴタゴタは記憶に新しいですし、将棋連盟も女子の一部が離反して別組織が出来ています。
プレーヤー・ファーストもいいのですが、きちんと管理できる専門家を配置して、権限を持たせるべきなんでしょうね。