「ル・コルビュジェ」 究極の作品は8畳一間

ユネスコの世界遺産に、上野の国立西洋美術館が登録されることが決定されました。

 

世界遺産登録を審議する国際会議が開かれていたのは、トルコのイスタンブールです。トルコ軍の一部によるクーデター未遂という大事件に遭遇しましたが、決定したそうです。

 

ネットニュースより・・

「ユネスコの世界遺産委員会は2016年7月17日、東京・上野の国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品」を世界文化遺産に登録することを正式に決定した。「近代建築の巨匠」と呼ばれるフランスの建築家ル・コルビュジエ(1887‐1965)の功績が評価された。」

 

実は、東京にいた2007年に森美術館で「ル・コルビュジェ 生誕120周年」という展覧会を観たことがあります。展示は、とても興味深いものでした。

ミュージアムショップで買った、中公新書の「ル・コルビュジェを見るー20世紀最高の建築家、創造の軌跡」という本もとても面白かったのでお奨めです。

 

スイスで生まれたコルビュジェは初めは画家としてパリで活躍しますが、後に彫刻に活動を拡げ、ついに建築の世界へと移ります。コルビュジェにとって、建築もアートなんですね。

有名な近代建築の5原則「ピロティ」「屋上庭園」「自由平面」「水平な連続窓」「自由正面」は、ユニークです。

但し、耐震性の確保には苦労しそうで、地震国日本ではちょっと心配です。

余計なことですが、国立西洋美術館は直下型地震には耐えられるのでしょうか?

 

さて、世界遺産登録が決定されたので、ル・コルビュジェについての記事や番組が氾濫すると思います。その後の数多くの建築作品は、映像で紹介されることでしょう。

 

さて、コルビュジェの最期の作品が下の写真「カップマルタンの小屋(カバノン)」です。

 

 コルビュジェが73歳のとき、亡き妻イヴォンヌのために南フランスの地に建てました。

たった3.7m四方の正方形の小屋で、ベッドが二つ・仕事机が一つ・小さな棚にトイレと洗面台だけがあるだけの小さな小さな空間です。

巨大な建造物や、大掛かりな都市設計に従事し続けたコルビュジェですが、77歳の生涯を終えたのは、この8畳間ほどの自身最小の建築作品でした。