有名な俳優(というか、超有名な女優の夫)が覚醒剤所持で捕まりました。
このところ、超有名な野球選手の覚醒剤所持・使用での逮捕があったりして、取り締まりが徹底されてきている印象です。また、超有名なデュオの片方や歌のお兄さんも記憶に新しいところです。
薬物は、昨年までは法律や規制を免れた「危険ドラッグ」が一世を風靡していました。濫用者による死亡事故・犯罪や交通事故などが大きな社会問題になりました。
新たな法律の整備で、危険ドラッグ街頭店舗が一掃され、ネット販売もできなくなったので、流通ルートが失われたことで、最近では、ニュースになるような事案はほとんどみません。
危険ドラッグの場合は、比較的若年者(40歳くらいまで)による事件が多かったと思います。こういう年代では、興味本位というところも強かったので、入手がしにくくなれば、比例して使用が減っているようです。アンダーグラウンドのルートは存在するのでしょうが、そこまでの努力はしないのでしょう。
薬物の本丸は何といっても覚醒剤でしょう。
昨年の覚醒剤での検挙人数は11,022人でした。平成10年前後には20,000人近くだった検挙人数は減ってきましたが、ここ5年間の統計では、毎年11,000人程度で安定しています。
覚醒剤の使用は中年世代(40歳代を中心)が多くなっています。価格も高価ですし、ネット購入などの容易な入手ルートがありません。捕まった有名人の皆さんも、ほぼこの年代です。
ところで、昨年の覚醒剤の検挙者のうち暴力団構成員が5,712人もいます。外国人591人を除くと日本人の検挙者数は10,431人ですから、なんと55%が暴力団構成員ということです。覚醒剤の場合は、プロのヤクザさんでなければ取り扱えないのでしょう。
覚醒剤の取り締まりで、入手ルートの解明が重要だという理由がここにありそうです。
ところで、素朴な疑問は暴力団構成員のことです。警察庁の資料によると、近年の暴力団壊滅の活動は大きな成果を上げているようです。また、詳しいことは知らないのですが、山口組が分裂したりして、内側からも弱体化しているようです。
この結果、平成27年の暴力団構成員の数は46,900人(構成員20,100人+準構成員26,800人)と、10年前の97,000人から半減しています。
ということは、(数字が延べだったりするのかも知れませんので正確ではないですが)覚醒剤での検挙者数5,712人を単純に46,900人で割ると、暴力団構成員の12%が検挙されているということになります。
どうも、覚醒剤の取り締まりは、最も有効で強力な暴力団壊滅対策であるようです。