選挙は費用もかかるが経済効果も大きい

参議院選挙期間中。都知事選挙も近づいています。選挙には多額の費用がかかります。

 

舛添さんの突然の辞任で東京都知事選挙がおこなわれます。都知事選挙に必要な事務的費用が50億円かかるので、税金の無駄遣いだと大きな非難がありました。

参議院議員選挙は任期満了に拠る定期の選挙ですから、非難されることはないのですが、500~600億円の事務的な費用がかかります。

ざっくり言えば、国民(都民)一人当たり、500円くらいですね。

 

但し、大きな選挙は費用もかかるのですが、経済波及効果も大きいものです。

いわゆる「選挙特需」というもので、地方では事務所に関わる不動産業・印刷業・広告業などが俄かに忙しくなります。 

古い記事ですが、2005年の総選挙の際に第一生命経済研が、「総選挙の経済効果は2227億円」と試算しています。名目GDPを0.1%分押し上げる効果があるそうです。

こちらも、ざっくり言えば国民一人当り2000円くらいです。

 

昔は、選挙と言えば日曜日に近くの小学校に行って投票するのが定番でした。このため、投票日にあたった日曜日には観光地の客足が鈍るということがよくありました。

 

これは、マイナスの経済効果になります。

 

最近では、レジャーや旅行の予定がある人、少しでも可能性がある人は、不在者投票(期日前投票) に行くことが定着してきています。

前回の参議院選挙(2013年)では、期日前投票した人は1294万人もいました。今回の選挙でも公示から4日間(6月26日まで)で182万人が既に投票しています。これは、前回より76%増えているそうです。

このままいけば、期日前投票が2000万人・投票日に投票所に行くのが4000万人といったバランスも考えられます。

 

期日前投票が増えることは、国民の政治参加を促す効果だけでなく、マイナスの経済効果を抑制する意味もありそうです。

また、高い割合で投票が選挙運動期間の早い段階でおこなわれるようになれば、選挙運動のやり方にも新しい工夫が必要になってきそうです。