「若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会」ということのようです。
「一億総活躍社会」がキャッチフレーズになるるということは、現在の日本は総活躍できていない社会だと認識されているということになります。
確かに、国民一人残らず全員が活躍するということはできないのですから、論理的には間違いはありません。しかし、世界的に見れば日本は「総活躍社会」に近いと言えそうです。
下左のグラフは、G7各国の年齢階級別の就業率を示したものです。赤が日本です。
ちょっと、ごちゃごちゃするので右の図で日本以外のG6の平均を青で示しました。
15~20歳の就業率だけ、日本がG6各国を下回っていますが、それ以外の年齢階級では日本の就業率は各国を上回ります。これは、男女合計のデータですが、女性の就業率も日本は高いのです。
さらに注目は、日本の高齢者の就業率の際立った高さです。
60~64歳の就業率で比較すると、日本は68.9%です。次は、アメリカの52.1%。ドイツの49.9%が続いて、最も低いのはフランスの23.3%です。
65~69歳では、日本の38.7%に対して、アメリカ30.3%・ドイツ12.6%。フランス5.6%です。
与野党ともに、現在の日本の最大の課題は「国内消費が伸びない」ということという認識のようです。参議院選挙での争点もここにあるようです。
日本の個人金融資産の約45%は60歳代以上の高齢者が保有しています。俗な言い方をすれば、高齢者ほど金持ちで余裕があるのです。
ちなみに、日本の総消費の約45%も60歳代以上の高齢者によるものですが、若い世代は将来のために資産形成をするので、どんどん消費できません。高齢者の消費を促したいところです。
そこで多くの企業が、高齢者向けビジネスが有望だとチャレンジしています。しかし、なかなか苦戦しているのが現状です。
まぁ、高齢者が「何でも揃っているから、これ以上は欲しいものがない。仕事をしているのが、一番楽しい。」という社会も、悪くはないような気もしますが・・。