6月は環境月間です。昨日、気象庁が平成27年の二酸化炭素濃度の年平均値が国内で観測している3地点全てで400ppmを突破したと発表しました。
スポーツの記録ではありませんが、確かに400ppmは単なる通過点です。一昨年の398ppmと昨年の400ppmに大した差が無いと思われるかも知れません。
しかし、400ppmは恐ろしい数字です。
現代人が今とほぼ同様の文明を継続していくことができる二酸化炭素濃度の限界点は500ppmより下にあります。つまり、400ppm台突入は現代文明の最後のステージに入ったというこです。
地球温暖化については、百人百様の説があります。科学的に何が正しいかを決めるのは困難です。温室効果で二酸化炭素が占める割合は70%くらいですから、これだけに注目するのも問題です。
ただ、地球環境問題は、近未来に結果として文明が壊滅的な被害を受けたことが判ったからといって、100年前に戻ってやり直すということができません。
確からしい仮説に基づいて、対策を取っていくことが求められます。
気象庁のHPから転用しました。
日本では岩手県の綾里・南鳥島・与那国島の3か所で二酸化炭素濃度を定点観測しています。一目でわかるように、観測をはじめてからずっと二酸化炭素濃度は上がり続けています。
そして、昨年は3地点ともに400ppmを超えました。
ギザギザのグラフになるのは、夏8月から9月にかけて、二酸化炭素濃度が下がるからです。光合成をする生物(主に陸域の植物)が夏場に二酸化炭素を消費する影響です。
これからも二酸化炭素濃度が上がり続けて500ppmになると・・・
・地球上の現存する生物種の半分以上は絶滅します。
・動植物の生息域が高緯度・高地に移動します。
・湖沼や河川の水温が上昇します。
・サンゴの広範囲に死滅します。
・海面が上昇し、小島嶼諸国は存続そのものが危うくなります。
・アジアやアフリカのメガデルタは水没します。
・ゲリラ豪雨による洪水が多発します。
・山岳の岩雪崩が発生し、山塊崩壊が起こります。
・感染症リスクが大幅に高まります。
・砂漠地帯や中低緯度地域の水資源が枯渇します。
・・・
最後に、グラフでわかるように、今は年に2ppm程度の割合で二酸化炭素濃度は上昇しています。ということは、500ppmになるには50年かかるように見えます。(だから、テレビによく出るT教授やI教授などが、自分が生きてる間は関係ないと言います。)
しかし、500ppmに近づくにつれて傾斜が急になっていくはずです。それは、生態系が破壊されることによって、陸域の植物が吸収する二酸化炭素量が激減すると見込まれているからです。つまり、50年もたない可能性は高いのです。
「科学的根拠の無い脅しに過ぎない」と言われるかも知れません。
しかし、今生きている私たちはこの壮大な実験の結末を観ることができません。そうであれば、実験そのものを中止したいと願うのは当然だと思います。