G7伊勢志摩サミットが開幕しました。世界の首脳が伊勢神宮を”訪問”しました。
日経新聞によると、伊勢神宮に”参拝”ではなくて”訪問”なのだそうです。
伊勢神宮に行くことが、日本国憲法がうたう政教分離の原則に違反しないようにという配慮です。
「二礼二拍手一礼」の拝礼やおはらいは行われません。一方で、ひしゃくに水を取って手を洗い口をすすぐ「手水」は日本の一般的な文化伝統として問題ないとして、おこなわれました。
憲法にうたわれている政教分離というのはちょっと興味深いのです。該当するのは、20条と89条です。素直な心で読んでみると”えっ!?”と思います。
憲法20条
1.信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2.何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3.国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
憲法89条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
それはさておき、「手水」です。神社に行って手を洗うという行為は、その場で心を切り替える意味があります。宗教的な意味はともかく、雑多な日常とは異なるという意識です。
仕事の現場で「手を洗う」のは、もちろんその必要性があるから行います。分析などの仕事では汚染を持ち込まないことは重要ですし、食品に関わる仕事では衛生面で必要です。
一方で、機械加工や事務など、直接的には手洗いの必要がなさそうな仕事でも、朝仕事前に手を洗う人はいます。
必要の程度に関わらず、仕事に取り掛かる前に手を洗うのはちょっとした儀式として有効です。手を洗うことで、心を切り替えて仕事に臨むことは、失敗を減らして仕事の質を上げることに役立ちます。