中規模の中小企業は増えている

 中小企業全体の企業数は減っていますが、中規模の中小企業は直近のデータで増加しています。

 

 2014年の経済センサスによると、日本の中小企業者は380万9千者です。

 前回2012年には385万3千者でしたので、2年間で4万4千者減ったことになります。

 10年前の2004年には432万6千者でした。10年間では51万7千者の大幅な減少です。

 (但し、2011年の東日本大震災関連の影響が大きい。)

 

 中小企業者の定義は業種分類で異なるのですが、大雑把な理解として、例えばサービス業では従業員100人以下の会社です。このうち、従業員5人以下は特に小規模事業者として区分されます。

 つまり、中小企業には「中規模な中小企業」と「小規模な中小企業」があります。

 

 先ほどの中小企業者数の推移を中規模と小規模に分けると下の表のようになります。

 

  2004年 2012年 2014年 2年間の増減
中規模 54万9千者 51万0千者 55万7千者 +4万7千者
 小規模 377万7千者 334万3千者 325万2千者 -9万1千者 

 

 中規模の中小企業は、2012年と2014年の間で大幅に増えていて、2004年の数を超えています。ちょっと驚きませんか?

 

 さて、小規模事業者の数が減っていることに注目すること(対策を取っていくこと)はもちろん重要ですが、中規模な中小企業者を育てて、次代の大企業・優良企業にしていくことも大切です。

 

 中小企業白書2016の図を貼りつけます。

 中規模企業の開業が7万2千者あり、廃業の4万8千者を大きく超えています。

 小規模から中規模に事業拡大した企業が6万8千者で、小規模に事業縮小したのが6万3千者です。

 

 開業が廃業より多いのは、小売・サービス業です

  • 医療・福祉      開業 1万2千者 - 廃業 0万4千者 = 増加 8千者
  • 宿泊業・飲食業    開業 1万5千者 - 廃業 0万9千者 = 増加 6千者
  • 小売業        開業 1万5千者 - 廃業 1万1千者 = 増加 4千者

 製造業では開業が2千者で廃業が4千者でした。

 

 日本の社会構造では、医療・福祉産業が基幹産業としての重みを増しています。

 海外からの観光客が年間2000万人に迫り、日本人の国内旅行や仕事での移動も増えているので、宿泊・飲食業も活況です。

 永く続く企業に育っていって欲しいと思います。