YAHOOニュースにロイター/イプソスの世論調査の結果として載っていた記事です。
「今回の調査は6─10日にかけ、1289人を対象にオンラインで実施。クリントン氏を支持すると回答した有権者は41%、トランプ氏は40%、未定は19%だった。同調査の誤差は約3ポイント。」ということです。
この結果の判断の仕方にはいろいろあります。
ロイターは「トランプ・ヒラリーの支持は拮抗していて接戦になる」と書きました。同じ調査から、時事は「トランプ・ヒラリーほぼ並んだ」という見出しを打ちました。
大統領選は僅差でも支持が多いほうが勝つのだから、常に支持率で上回っている「ヒラリーの勝利は確実だ」ととる人もいるかもしれません。
そこで統計学的に考えてみます。誤差3ポイントというのは標準偏差の2倍が3%に相当するという意味ですから、1%の範囲には約25%が入ります。(余談ですが、昔の統計の本の巻末には、必ず標準正規分布表が載っていました。)
つまり、今回の調査の結果では、ヒラリーが75%の確率でトランプに勝つ(=トランプが25%の確率でヒラリーに勝つ)ということになります。
ということで、「接戦」という見出しがまず正しいようです。
今の日本では、国内で不祥事と言っていいような大きなニュースが続いています。
この影響もあって、アメリカ大統領選への関心も薄れてきたようです。最後に落ちをつけてくれると期待されたトランプ氏の共和党候補指名が確実になりました。一方のヒラリー氏も多くの問題を抱えていて、しかも日本に対して不利な政策を打ち出してきています。
どっちに転んでも、面白くないという印象になって盛り上がらなくなりました。
アメリカ大統領は、現在では世界の大統領です。世界で最も強い権限を持っている人です。
世界の秩序を一人の人(実際は人は変わるのですが)が支え続けるのは、難しいのかも知れません。そうなると、権力の並立あるいは鼎立によって秩序が保たれる世界に戻っていきます。
とても大きな歴史の転換点になるかも知れませんから、よく観ていなければなりませんね。