6月1日に改正安衛法のリスクアセスメントが施行されます。準備はよろしいでしょうか?
平成26年に労働安全衛生法は大改正されました。その施行(効力の発生)は段階的におこなわれてきました。最後に残った化学物質のリスクアセスメントがいよいよ6月1日に施行されます。
このブログでも書いた「電動ファン付き呼吸用保護具の形式検定」などは平成26年12月1日に施行されました。「重大な労働災害を繰り返す企業への対応(特別安全衛生改善計画のこと)」などは平成27年6月1日に施行されています。そして、12月1日に「ストレスチェックの実施」が施行されたのは、記憶に新しいところです。
最後に残っていた「化学物質のリスクアセスメント」では・・
一定の危険有害性のある640物質について
1.”リスクアセスメント”が義務付けられました。
2.”ラベル表示”が義務付けられました。
2のラベルとは、右の絵のような感じです。
GHSマークという絵表示(赤い45度回転した正方形のなかに危険因子を示すマークがある)をつけています。
この絵表示があったら、何かの危険がありますから、製品に添付されているSDS(安全データシート)を必ず確認してください。
さて、本題のリスクアセスメントです。押さえておきたいところを再確認しておきます。
1.事業所のトップ(工場長)に、リスクアセスメントを実施する義務があります。
組織として、①実施を管理する人(安全管理者)、②技術的業務を担当する人(化学物質管理者)が決められていなければなりません。
2.次の場合はリスクアセスメントを実施しないといけません。
危険有害性のある640物質を
①はじめて使うとき(変更するとき)
②新しい使い方をするとき(変更するとき)
③その他、危険有害性に変化が生じる恐れがあるとき
以下の場合も実施するべきです
④災害や事故が発生したとき
➄過去にリスクアセスメントを実施していない(あるいは長期間経過)場合
3.リスクアセスメントの方法は、一般にマトリクス法を使いますが、その他にもあります。
今日は割愛。
ここからが重要なのですが・・
4.リスク低減措置の実施をしてください。
防毒マスクや防塵マスクなどに頼るだけにしないでください。王道は、危険有害性の無い(あるいは低い)物質への代替あるいは、温度や圧力など製造方法の見直しです。
このような変更は、安全管理者・化学物質管理者に権限がありませんから、工場長が主導しなければできません。ときには工場長にも権限がなく(研究開発部門が別にある)、社長が決めることかも知れません。その場合には工場長が提言を発信しなければなりません。
5.リスクアセスメントの結果は、そこで働く全ての人に周知され教育されなければなりません。
掲示すれば足りるというものではなく、正社員に限らず派遣社員でもアルバイトの方でも、全ての働く人に徹底的に理解され、行動に結びつけられることを確認します。