メーデーが盛り上がらない

5月1日が「メーデー」であること。そして、メーデーは労働者の祭典だということを知らない人が増えています。

 

1886年5月1日に、「アメリカ・カナダ職能労働組合連盟」が8時間労働制を要求してストライキをおこなったことがきっかけになって、毎年5月1日は労働者が団結して権利を要求する日となりました。ちょうど130年前のことです。

 

日本のメーデーは1920年(大正9年)が最初です。日本で最も盛り上がったメーデーは戦後の1946年(昭和21年)で「働くだけ喰わせろ」というストレートなスローガンが有名です。

また1952年(昭和27年)には、サンフランシスコ講和条約発効直後にメーデー参加者と警察が衝突して死者が出る「血のメーデー」事件がありました、これは、労働者というより左翼活動や学生運動という側面が強かった事件です。

 

メーデーの誕生は、「8時間働き、8時間休み、8時間は自分のもの」という主張からはじまり、130年経った今でも大きな変わりはありません。世界の全ての働く人に「8時間労働」を定着させるのがメーデーの本質的なテーマですから、忘れてはなりませんね。

 

さてメーデーが盛り上がらないのは、労働組合が目標を定めにくい時代背景だということです。12時間労働が基準となっていた時代に、8時間労働制を主張するのは明確な目標でした。今は、8時間未満の労働時間で働く人が増えているのが問題です。

 

そこで、今年のメーデーの目標は・・「安倍政権打倒!」などを除き、労働者に対するものは、

・大幅賃上げ実現

・いますぐ最低賃金1000円(全国一律)

・壊すな「8時間労働」

の3つです。・・・どうでしょうか?

 

 

一般に目標には二つあります。一つは、自分たちがなりたい姿を表現する「定性目標」で、もう一つはその到達水準を示すモノサシである「定量目標」です。

 

「定性目標」の作り方には、いくつかのフレームワークが使います。例えば、自分たちがなりたい姿とは、顧客に対して・従業員に対して・取引先に対して・株主に対して・社会に対して・どういう姿なのかを考え抜きます。この「定性目標」の到達水準を、社内の人も社外の人も共通して理解できるように「定量目標」をつくります。

 

労働者(特に雇用者・労働組合員)が社会全般の支持と協力を受けて、生々発展していくという「定性目標」を言葉にすることは大切です。

業績の好い会社は、大概の場合「定性目標」の設定に成功しています。そして、業績の悪い会社は「定量目標」だけを示します。モノサシだけ示しても、うまくいきません。

 

このところのメーデーは、「定性目標」の設定に失敗しています。