1日遅れましたが、昨日は「昭和の日」でした。
ゴールデンウィークの初日は「昭和の日」です。もちろん昭和の人にとっては、「天皇誕生日」のほうがしっくりします。
「昭和」という言葉に持つイメージは人によってさまざまです。「戦争」をイメージする人も、「高度成長」や「公害」「バブル経済」・・・、いろいろな側面があります。
それもそのはずで、「昭和」は62年と2週間(元年が1週間・最後の64年が1週間)と長く、日本の元号の中で最も長期間です。それどころか、元号の本家である中国にも「昭和」より長い元号は存在しません。
日本の最初の元号は西暦645年の「大化」で、1926年の「昭和」まで247の元号が使われました。1282年間で247ですから、平均5年余りです。
実は”元号”という紀年法を今でも使っているのは日本だけです。
本家の中国では、1911年の清朝滅亡によって元号制は廃止されています。その後は、1912年を民国元年とする紀年法が採用されました。現在の台湾では中華民国紀年が使われています。大陸中国では1949年以降は、西暦が使用されることになりました。
南北朝鮮やベトナムなど中国との関係が深い国でも、清朝滅亡の前後に元号制は使われなくなっています。
元号も日本にだけ残った中国(と言うかアジア)の文化です。極東の地は、有形の財物にせよ、無形の伝統にせよ、アジアの文化の保管庫になっています。
個人的な感想ですが、元号というものは面白い制度だと思います。歴史を振り返るときに「大化の改新」「応仁の乱」「明治維新」と元号をつけることで共有意識が芽生えます。
私の尊敬する方の著述集は「大正生まれ」という名前でしたが、それだけでイメージが確立します。個人の人生を「明治」「大正」「昭和」「平成」と振り返るのは意味がありますね。
ちなみに、今の日本では元号の紀年法が法的に根拠があり、西暦にはないそうです。
つまり、西暦は「便宜上の暦」だそうで、元号が主・西暦が従の関係にあるそうです。 そう言えば、最近回ってきた「計量法の運用」に関する通達でも、改めて元号を使うようにと書いてありました。(西暦の併用は可能です。)
まぁいろいろな意見があるようですし、改元があるとすごく面倒なことも起きます。それでも、ずっと元号の使用が続くといいなぁと素朴に思います。