山で遭難する人の数は、年々増えています。特に遭難者が多いのがGWの1週間です。
警察庁が発表している山岳遭難発生状況が右の図です。山岳遭難の発生件数・遭難者数・死亡者数ともに増加傾向にあります。
平成26年の遭難者は2794人で、死者は311人を数えました。
このうち、GWの10日間の遭難者は211人・死者は30人です。
GWは気候もよく、長期の休暇も取得しやすいので観光や行楽には絶好のシーズンです。
しかし、高い山には雪が残り、朝晩は気温が下がります。北アや南アの2000m以上の高峰では冬山登山と同じです。この時季には、みぞれや氷雨が降ることがありますが、雪以上にやっかいです。
以前、このブログでも書きましたが、どうか登山計画書の提出は必ずおこなってください。
また、余裕を持ったスケジュールを立ててください。おかしなことですが、生きるか死ぬかの境目なのに、明日は仕事があるんだと無理に動いてしまって、命を失う人が多いのです。
さらに、十分な装備の携行もお願いしたいところです。小屋掛けの計画でもビバークに必要な最低の食料と装備は持って行くべきでしょう。
さて、登山は経営に通じるところも多いのですが一番役に立つ教訓は、「道に迷ったかも知れないと思ったら、すぐに元来た道を引き返す。」ということです。
人は道に迷うと、多かれ少なかれパニックになります。不安や焦りから冷静な判断ができなくなって、自ら墓穴を掘ります。「道に迷ったとき、沢に降りてはならない」と言うのは、誰でも知っている基本的なセオリーですが、どうしても下りたくなるのです。
これを避けて、冷静さを保つことが生死を分けます。とにかく、”あれっ!?おかしいぞ” と感じたら、迷うことなく直ちに、元来た道を引き返して自分の位置を確認することが大切です。
特にGW時期の遭難は、ルートを失って、長時間の彷徨をした後に、滑落して怪我をして、動けなくなり、寒さで意識を失い・・・というパターンが数多くあります。
くれぐれも準備を怠らず、楽しんでください。