3.11のとき。本社は東京。社員は国内約120人。東北は仙台と郡山に合わせて8名。
震災が起きたのは金曜日の午後です。東北地域の全員の安全が確認できたのは、翌週の火曜日でした。その頃には、東北では物資の不足が深刻になっていました。
そこで、東北の社員と家族に支援物資を送ろうということになりました。
道路も寸断されていて、宅急便などもないので、東京本社に集めて一括で運ぶことにしました。
東京の社員は朝の通勤時に水のペットボトルやら保存食を持ってきます。
地方の社員も支援をしたいのですが、当時名古屋以西から東京への輸送は中止されていました。そこで、一旦大阪や名古屋支店宛てに物資を送って、東京まで宅急便や会社のクルマで運びました。広島・九州・遠くは上海からの支援物資も大阪・名古屋経由で東京に集まりました。
これを、東京本社からトラックに載せて翌週と翌々週の2回、福島~宮城~岩手まで配送しました。岩手には社員はいないのですが、協力会社さんがあったのと帰りの燃料を調達するためです。
今回の熊本の地震でも物資の不足が言われています。恐らく同じように、行政などの公的支援とは別に、会社や家族知人が独自の方法で輸送をしていると思います。
そのときの教訓なのですが、善意の物資は予想以上にたくさん集まります。東日本の震災のときは東京本社も暇なので、仕分けをする人でも十分あります。小さな会社のことなので、これは〇〇さん、これは△△君のところ、とか細かく分けて送ることができます。親と同居とか、赤ちゃんがいるとか、家族の情報も分かっています。集合住宅なのか、一軒家なのかも知っています。
それでも、紙おむつやトイレットペーパー、毛布やタオルなど予想以上に集まった荷物は仕分けしきれずに余ります。結局は、近所の方にも分けてもらえるだろうと送り切ることになりました。
ちなみに、社員向け以外の物資は日本財団に託しました。支援物資の集積場が早い時期に近い場所に設置されていました。
支援物資は送り出すことは簡単なのですが、必要な人のところに届けることはとても難しいと思います。届けたい人の方が移動してしまうこともあるでしょう。少し時間はかかると思いますが、関係者の引き続きの尽力に期待しています。