思いがけないところで起きた、思いがけない大きさの地震でした。まだ、余震の恐れがあるそうです。十分に気を付けていただければと思います。
【4月16日朝追記】この地震が前震とは思いませんでした。被害状況はまだ不明ですが、拡大しないこと、救助救援が進むことを祈っています。
手元に2005年版の「今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」というのがありましたが、今回の熊本市近郊は5段階の下から2番目で0.1~3%に分類されていました。
テレビのインタビューでお年寄りが、「70何年、熊本に住んでいて初めての経験だ」と言われていました。まさに思いがけない地震だったのでしょう。早く日常に戻れるよう祈っています。
調べてみると、九州の中部で発生したM6.5を超える地震で、歴史上に確認できるのは、679年の筑紫国地震と1596年の別府湾地震の2回だけのようです。
ちなみに、この筑紫国地震は天武天皇の御代に起きた大地震で、今の久留米市を震源とします。震源が確定している歴史上の地震としては、最も古いものです。
別府湾地震は慶長豊後地震とも言います。湾の入り口が震源だったので、今の大分市や別府市を巨大津波が短時間に襲ってきて、大きな被害を出したそうです。
日本では、地震はいつどこで発生してもおかしくありません。数学的な確率というのも正しいのですが、どんな会社や組織でも準備はしておくべきでしょう。
企業の場合は、できるだけ綿密な地震対策マニュアルをつくって、訓練をおこないます。
よく、「そんなに細かいことを決めても、実際の地震のときには役に立たないよ」と言う人がいます。今回のような”夜間の発災だと工場に管理者や日勤者(スタッフ)がいない”とか、”土日だったらどうする”とか・・。結局は状況次第だから、準備はほどほどでいいじゃないかと批判します。
しかし災害に限らずリスクへの備えとしては、「準備は綿密に、対応は大まかに」が大原則です。そもそも準備を大まかにしかしないなら、対応は全くゼロで何も期待できません。
綿密に検討して細かい準備をする過程で、責任者にも従業員にも暗黙知が積み上がっていきます。なにも立派なマニュアルをつくることが目的ではないのです。
綿密な準備をして真剣な訓練をした会社でこそ、臨機応変な対応が出来て、被害を小さく抑えて、早い復旧につなげることができます。