バトミントン部員の解雇&出勤停止

NTT東日本は、当該選手を解雇しないほうがよいと思っていましたが・・。

 

NTT東日本に所属する、世界的なバドミントン選手2人が常習賭博をしていたことが発覚しました。 

1人は、日本選手権6連覇の26歳で、怪我で大会を欠場して、復帰しても勝てなくなったこともあって賭博にのめり込んだようです。2014年10月から2016年1月まで約60回通って1000万円くらい負けていたとのこと。つまり最近まで通っていた。

もう1人は、世界ランキング2位の21歳で、先輩に誘われて2014年10月から2015年3月まで約6回通って50万円くらい負けていたとのこと。つまり、1年以上前が最後だった。

 

NTT東日本の処分は、26歳は「解雇」で、21歳は「出勤停止30日」です。

 

何故、解雇しないほうがよいと思っていたかと言うと主に二つです。

一つは、企業がスポーツを支援する目的の大きな部分は、宣伝であり組織の活性化であり、結局は収益を上げることです。一般に、企業に所属しているトップ選手は会社からの報酬に対して、非常に大きなリターンを与えています。今回の2選手は典型的な実例です。

企業はその恩恵を受ける代わりに、選手が引退しても社会人としてよい人生が送れるように、指導育成する重い責任があります。二人とも、高校卒業したばかりの未成年の頃からNTT東日本に所属していたのです。

 

もう一つは、スポーツ選手と言っても、企業の社員には違いないわけです。今回の件で、バドミントン部を解散するとか、部員を退部させると言うのはよいと思います。しかし、社員の資格に関しては一般社員と同レベルで扱うべきだと感じます。

 

倫理的に厳しい責任を負っているだろう公務員の場合は、人事院の「懲戒処分の指針」に従います。多くの企業も就業規則をつくるときに、この指針を参考にします。

この指針で解雇(公務員の場合は免職と言う)になるのは次の10事項だけです。

1.正当な理由なく21日以上勤務しなかった場合。

2.争議行為を首謀・扇動した場合。

3.重要な機密漏えいをした場合。

4.入札談合に関与した場合。

5.過度のセクハラ行為。  

6.公金の横領・窃取・詐取。

7.放火・殺人・横領・窃盗・詐欺・恐喝。

8.麻薬・覚せい剤の所持か使用。

9.淫行。

10. 飲酒運転

ちなみに、賭博は減給または戒告。常習賭博は停職です。つまり、26歳社員が一般社員だったとすれば解雇まではされなかった可能性があります。

 

また、そもそも2日後に解雇するなら記者会見でさらし者にする必要などは全くなかったわけです。企業の姿勢として、これが適当であったか大いに疑問が残りました。

個人的には、企業としての最もよい処置は、「バトミントン部は廃部にする。元部員は就業規則に基づいて懲戒処分を課す。処分解除後は、一般社員として育成していく。」だったのではないかと思います。日本選手権6連覇と言っても、26歳の若手社員なのですから・・。