「何々ならば・・」に要注意

 論理学で言えば、AならばB(前件Aが肯定されると後件Bが成立する)は”条件法”です。

 

 政治経済のニュースや国会の論戦で「何々ならば・・」が目につきます。

 「消費増税見送りするならば、アベノミクスは失敗したと言える」とか

 似て非なる「消費増税見送りするならば、日本経済は成長する」とか

 「トランプ氏がアメリカ大統領に就任するならば、日米関係は悪化する」とか・・・

 

 例えば「消費増税見送りするならば、日本経済は成長する」の否定は次のうちどれですか?

 「消費増税見送りしても、日本経済は成長しない」

 「消費増税見送りしなくても、日本経済は成長する」

 「消費増税見送りするならば、日本経済は成長しない」

 よくわからないですよね?答えは

 「消費増税見送りしても、日本経済は成長しない」です。

 

 じゃ、「消費増税見送りするならば、日本経済は成長する」が正しいかどうかを”対偶”を取って検証してみます。

 「AならばB」の対偶は、「AでないならばBでない」です。

 「AならばB」が正しいならば。対偶「AでないならばBでない」は必ず正しくなります。

 「消費増税見送りするならば、日本経済は成長する」の対偶は

 「消費増税見送りしないならば、日本経済は成長しない」です。

 どうでしょうか?正しいですか?

 

 同じように「消費増税見送りしないならば、アベノミクスは失敗したと言えない」

「トランプ氏がアメリカ大統領に就任しないならば、日米関係は悪化しない」はどうでしょうか?

 

 つまり、最近よく耳にする「何々ならば」は、どれも要注意です。

 こういう言い方をよくするのは、法曹界出身の政治家さん(政治家さんOB含む)に多いように感じています。まぁ、これもただの思い込みでしょうが。