労働衛生管理には「作業環境管理」「作業管理」「健康管理」の三管理があります。
「労働衛生管理体制」「労働衛生教育」を加えて五管理という人もいます。
作業環境測定士の主な業務範囲は、このうちの「作業環境管理」ということになります。作業環境には、「化学的因子」と「物理的因子」があります。化学的因子とは、有害化学物質とか粉じんとかです。物理的因子とは、温熱とか騒音・振動とか放射線とかです。
「職業病」という言葉は、今では「その職業についている人の特徴」という意味で使われることが大半です。建築関係の人が、建物に入ると構造が気になって仕方ないとか、看護師さんが救急車の音に敏感に反応するとかです。
しかし、昔は本当の「職業病」がたくさんありました。バッテリーをつくる職場で腹痛を訴える人(鉛中毒)、塗装工場で貧血を訴える人(ベンゼン中毒)、ダイナマイト工場の人の狭心症などなど・・・。今では、作業環境を適正に管理することで、このような職業病は減ってきています。
しかし、作業環境管理ができても、作業者が過度の有害因子にばく露される懸念は残ります。適切な作業標準をつくり、作業方法の指導をおこないます。これが「作業管理」です。
そして、対象になるのが生身の人間です。人間は、一人ひとりに個人差があって、有害因子に敏感な人もいます。これをチェックするのが「健康管理」です。
労働衛生の三管理・五管理を、どうぞ見直してみてください。