ベルギーの首都ブリュッセルの空港と地下鉄で、連続テロが発生して大きな問題になっています。
ベルギーという国について、ニュースでいろいろな専門家が解説しているのを聞きました。今日は自動車での移動時間が長かったので、車中でテレビ音声をかなり聞いていました。
例によって、放送局によって、それぞれ若干ニュアンスが異なるのが面白いです。
NHKの会長や経営委員の人選が国会で問題になりました。放送法で不偏不党を定めているのがけしからんといった議論もありました。
ただ、今日のベルギーという国についての解説を聞く限りでは、各放送局のキャラクターはしっかり出ているように思いました。
さて、ベルギーという国について、私はよく知りません。恐らく、日本人一般にとっても、それほど身近な国ではないように思います。
手元の「山川の世界史」で、ベルギーが出てくるのは2か所だけです。(ちなみに、フランスは22か所・イギリスは17か所・ドイツは16か所でした。)
1か所目は、「七月革命の影響で、ベルギーはオランダからの独立運動をおこし、翌31年ベルギー王国が成立した。」
なるほど、ベルギーはオランダ領だったのですね。
2カ所目は、「ドイツは開戦後すぐに中立国ベルギーを侵して北フランスに侵入し、・・・」
なるほど、第一次大戦のときにベルギーは中立国だった。そしてドイツに侵攻(占領)されたのですね。(余談ですが、中立国(ベルギーは一時期は永世中立国だった)というと好いイメージを持つ人がいますが、強国の間に挟まって、両方から相手には付くなと強要されていたということです。)
この2か所の記述だけでも、ベルギーという国の性格が垣間見えます。
オランダ・フランス・ドイツに囲まれていて、ヨーロッパの中心に位置します。
面積は九州ほど。人口約1100万人ですが、主にオランダ語(約6割)とフランス語(約3割)を話す国民がいて、それぞれが少し距離を置いて暮らしているようです。
宗教はカトリックが大勢(約8割強)で、イスラム教徒の数は少ない(3%)ようです。
つまり、大雑把に言えば、民族は複数・宗教はほぼ単一というわけです。日本と逆です。
今回のテロの背景に、ベルギーの国事情があることは確かでしょう。また、国家・国民に大きなダメージがある事件ですし、きちんとコントロールできなければ影響が長く残ります。
しかし、ベルギーは長年に渡って国内に複数の文化を共存させてきた国です。今回の苦難もしっかり乗り切ると期待しています。
ベルギーは日本とは違いが大きい国です。違いがあるからこそ、日本としてはそのあり方を見守り支援して、よく勉強したほうがよいと思います。