「保育所落ちた日本死ね!!」・・日本じゃないのでは?

ずいぶん話題になっています。支持を表明する人もおられるのですが、ちょっと誤解です。

 

発端は2月15日に投稿された匿名のブログです。

ニュース記事から要約すると・・

『14日に子供が保育所の入所選考に落ちた。

何なんだよ日本。一億総活躍社会じゃねーのかよ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか!

子供を産んで子育てして社会に出て働いて税金納めてやるって言ってるのに!

親の希望通り保育所に子供を預けられないなら子供産むやつなんかいねーよ!

五輪なんかに金を使わず、とにかく財源を作って保育所増やせ!

不倫してもいいし賄賂受け取るのもどうでもいいから保育園ふやせよ!』

 

このブログ記事を「そうだその通り」と支持する人がたくさんでてきました。しかし、誤解もあるように思います。

おそらく、この投稿者は東京の世田谷区とか大田区とかに住まわれていると推測します。そして、とても子育てに疲れておられるようです。

 

実は、山口県を含む地方では、保育所に入れない待機児童はほとんどおりません。全国47都道府県で待機児童数がゼロが11県で、100人以下が12県あります。面積で言えば、日本のほとんどの地域で待機児童の問題はそれほど大きくはないのです。

最新の統計で山口県には71人の待機児童がおり、そのうち68人は山口市です。人口減少している山口県でも県都の山口市は人口が増えています。と言っても20万人足らずですが・・。

 

この問題に関しては「日本」死ね!ではなく、「東京」死ね!なのです。

日本の待機児童の33%が東京都に集中しています。以下、沖縄県・千葉県・大阪府・埼玉県の順で、ここまでで日本の63%を占めます。

 

問題の本質は、大都市への人口集中と核家族の下での女性就労による保育所需要の増加でしょう。

その需要増加に保育所の供給が不足しているのですが、その原因の大きい部分は大都市圏では保育士のなり手が少ないことです。都会で保育士をするのはしんどいと思います。このブログのお母さんがどうというわけではありませんが、親御さんからのクレームも多そうです。

 

有効な解決策は、首都圏に集中している仕事の地方移転です。

交通も情報通信も便利になっています。職種によっては、東京で働かなければならない理由は薄くなっています。先進国で官公庁も企業も一箇所にこれだけ集積しているのは日本だけでしょう。

 

消費者庁を徳島県に・文化庁を京都府に移転することが決まりました。もっとスピードアップして行政や司法の事業所を地方に移してください。

原子力規制庁は福島県に、北方対策本部は北海道に、総務省総合通信基盤局はどこかな?・・

 

企業の本社も地方にどんどん移してください。

2014年時点で世界最大の企業であるウォルマート・ストアーズ (小売り)の本部は、アーカンソン州ベイトンビルという人口4万人の街です。 第2位のロイヤル・ダッチ・シェル(石油)の本部はオランダのデンハーグ市で人口45万人。以下、フォルクスワーゲン(製造)の本社はドイツ中部のヴォルフスブルク市で人口10万人。グレンコア(商品取引)は人口2万人のスイス・バーグに本部があります。・・・東京に本部が無くてもよさそうです。

 

地方創生が、ブログのお母さんを含めた一億総活躍社会をつくることになりそうです。

その際は、「おいでませ山口へ!」