信なくば立たず ・・ 経営者も”ほぼ”同じです

イクメン議員の不倫疑惑騒動のときに、安倍首相が発言して見出しになりました。

 

衆議院予算委員会で、野党からの質問に対する安倍さんの発言です。

「信なくば立たず。国民の信頼の上に政治活動があり、政策実行も国民の”信頼”が基礎だ。そのためにも、国会議員、政治家は、しっかりと自らの行動を律する必要がある。」

 

「信なくば立たず」は孔子のことばです。

 

弟子の子貢が、孔子に問います。「政治の要諦(肝心かなめ)は何ですか?」

孔子は、「兵と食と信である」と答えます。

子貢がさらに「三つのなかで、どうしても捨てないといけなくなったら、どれを捨てますか?」

孔子は「兵を捨てる」と答えます。

子貢がさらに「食と信のうち一つを捨てないといけないならどうしますか?」

孔子は「人はいつかは死ぬのだから食も捨ててもいい。しかし、『信』だけは捨ててはならない。『民は信なくば立たず(民無信不立)』」と答えました。

 

政治における要諦は「信」であると言っています。これは経営者にとっても”ほぼ”同じです。

 

ところで、孔子は「信」とだけ言っています。

予算委員会の答弁で、安倍首相は「信」を「信頼」と言い換えています。

「信頼」を辞書で引くと、【信頼:信じて頼りにすること。頼りになると信じること。】とあります。信頼とは、相手を無条件に信じるという意味です。

 

もう一つの「信」に「信用」があります。辞書では【信用:1 確かなものと信じて受け入れること。2 それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。また、世間が与える、そのような評価。】とあります。信用とは、条件付きで信じるという意味です。

 

政治家には「信頼」が重要です。(”trust me” と口走るだけでは信頼できませんが・・)

一方で、経営者には「信用」が求められます。(”confidence”や”credit”)

これが、”ほぼ”同じという意味です。

 

「経営の肝心かなめは、”人材”と”資金”と”信用”である。」

『経営は信用なくては成り立たない』 ということです。