何故だか、この10日間ほどで「合同会社」を説明して欲しいと何度か訊ねられました。
繰り返し質問されたので、だんだん流ちょうに説明できるようになってしまいました。
折角なのでブログに書いておきます。
2006年に改定された会社法で「合同会社」が新設されました。「有限会社」は廃止されました。現在の会社法では、間接有限責任社員のみから成る会社は「株式会社」と「合同会社」の二つになります。
※「合資会社」とか「合名会社」もありますが、こちらは無限責任社員がいる会社です。会社の債務に自己の財産を充てる必要があるので、個人事業の延長のようなものになります。
そこで、株式会社と合同会社の違いですが、法的権限などに差はありません。
会社として仕事をする場合は、公式には全く同じです。
合同会社の特徴は・・
1)出資者が出資金の範囲で有限責任を負う。(株式会社と同じ)
2)利益分配割合を自由に決定できる。(株式会社は持分割合で決まります)
3)設立費用やランニングコストが安い。(手続きは自分一人でも十分できます。設立費用は10万円くらい安くなります。業務執行者の任期がないので更新登記費用不要です。決算公告も不要です。)
4)必要な機関がない。(株式会社であれば、株主総会・取締役会などが必要になります。)
株式会社との大きな違いは、出資者と業務執行者の関係になります。
株式会社は株主が業務執行者に経営を委託します。合同会社は出資者と業務執行者が同じです。
つまり、家族経営やスモールビジネスで、出資者(元手を出す人)と業務執行者(仕事をする人)が同じであれば「合同会社」を選択するのが合理的です。
逆に、業務執行に関わらない出資者がいれば「株式会社」を選択します。
さて、合同会社の最大の欠点は、そもそもが2006年にできた会社のかたちなので、社歴10年未満だと名前でわかることです。経験が浅いので、信用が低くなりがちです。
(逆に、有限会社は2006年以前からあった会社なので信用されやすくなっています。)
もう一つの欠点は、「出資者=業務執行者」という関係が対立したときです。
最初はうまくいっていた人間関係も、会社が大きくなったり、利益がたくさん出たりすると、意見の違いが出るかもしれません。そのときには、合理的に解決するのが難しくなる恐れがあります。
この2点を考えたうえですが、合同会社というかたちは中小規模の会社ではメリットが大きいので、検討されるようにお奨めしています。