宇部市健康推進課はスマートメーターを活用してヘルスケア産業の育成・振興を目指しています。
宇部市主催の勉強会で、健康推進課から発表がありました。
◇電力スマートメーターを設置した家庭に、通信機能を持つヘルスケア機器を配賦してオンラインで健康データ(血圧 / 体重・体脂肪 / 歩数・消費カロリー)を取得する。<健康の見える化>
◇市内のウォーキングコースのうえに複数の拠点を設けてヘルスケア機器を設置して、データの収集をおこなう。
今のところは、この二つがメインですから、まだまだ洗練された内容ではありません。健康は究極の個人情報ですから、誰に何のために見える化(見せる化)するのか、難しい問題です。
ヘルスケア産業とは、①医療・②介護・③健康増進 の3つの分野から成っています。この3つの合計で、2015年の市場規模は約65兆円です。
食品の80兆円には及びませんが、自動車の50兆円・建設の40兆円を凌ぐ巨大産業です。
そして、人口減少に伴って縮小する他の産業と異なり、ヘルスケア産業は今後も拡大を続けます。10年後の2025年には100兆円産業になると予想されています。これは、この間に後期高齢者人口が1646万人から2179万人へと32%増える(予測でなく確実に増えます)ことが大きな背景です。
消費の主役は豊富な資産を持ち、「健康で長生き」を希望する高齢者が担います。
また高品質の日本のヘルスケア産業には、海外からの熱い期待も寄せられています。医療ツアーで日本を訪問する方もいますし、日本の医療機器やノウハウの輸出も増加しています。2025年には、海外向けの産業規模が20兆円程度までなりそうです。
ヘルスケア産業への大手企業の参入は加速しています。
宇部市には介護ローソンが出来ましたし、イオンはショッピングモールにヘルスケアゾーンを設置しています。外食のワタミやゼンショーが介護ビジネスに参入してから長いですし、学研やベネッセなども子ども向けからシフトしています。警備会社のセコムやALSOK、NTTやソフトバンクなど通信大手・・花盛りです。
しかし、10年間で40兆円増える成長産業です。また、相手にするのは生身の人間であり、個人の気持ちに寄り添う必要があります。スマートでなくても真面目に地道に取り組む、地域の中小企業や小規模事業者の活躍の場になります
自社の資源を一度棚卸してみて、ヘルスケア事業への挑戦ができないかを検証してみてはどうでしょうか?痛くない注射針を開発した岡野工業は有名ですが、全くの異業種からの参入であっても可能性はありそうです。探してみましょう。
なにしろ自動車産業が100年掛けた規模の拡大が、これからの10年で起こるのですから・・。