お正月の人気番組「芸能人格付けチェック」は、GACKTさんの連勝ストップが話題でした。
この番組の目玉企画は、目隠しをして100万円を超えるビンテージワインと5000円のテーブルワインを飲み比べて、どちらが高級品なのかを当てるというゲームです。
ベテラン芸能人や有名スポーツ選手でも、当たるか外れるかは五分五分です。最高の原料を使って100年前に醸造されたワインであっても、その来歴を知らなければ美味しいかどうかよくわからないということです。
でも、目を開けて100万円のワインと5000円のワインを飲めばどちらが美味しいのかは、ワインを日頃飲まない庶民であっても容易にわかります。
「こちらは、ボルドー5大シャトーの筆頭”シャトー・ラフィット・ロートシルト”が、ぶどうの当たり年だった1923年に醸造したワインです。少なくとも100万円以上はします。」と言われてから口に含んだら、”美味しい”と思わないでいられる人がいるでしょうか?
☞「価格は品質を伝えるメッセージ」です。
格付けチェックとは逆の実験も度々行われます。
牛肉の名産地で、全く同じお肉を同じように焼いて二つの紙皿に分けて置きます。
一方は「最高のA-5ランクの牛肉で100gが5000円以上します。」、もう一方は「東京のスーパーで購入した100gが500円の牛肉です。」と説明して試食してもらいます。
この結果、”高級牛肉”を美味しいと答えた人は60%、”スーパーの牛肉”も意外に美味しいと応えた人は15%でした。というような実験です。
☞「価格は品質を変える魔法の杖」です。
食品や飲料に限らず、家電でも旅館でも電車でも価格が高いモノが人気を呼んでいます。
先日、東京の友人(ちょっと先輩)に山口県に観光に来てください。と誘ったときの返事が「山口にはよい旅館がない。よい食事がない。よいゴルフ場がない。」です。
でも、その先輩は確かめたわけではないのです。先輩が言っているのは「山口には高い宿泊料の旅館がない。高価な食事がない。ゴルフ場のプレーフィーが安すぎる。」というのと同じです。
もちろん、ただ値上げをすればよいわけではありません。
その価格でつじつまが合うだけの品質とブランドを時間を掛けてつくりあげることです。
そういう挑戦をする機会は訪れます。逃さずに掴んでいって欲しいと思っています。