出版社は多くが売り上げを落としています。大手の出版社で、売り上げを伸ばしているのは文芸春秋と光文社の2社だけです。
日本の出版社は、集英社・講談社・小学館がビッグ3で、年間売上高で1000億円を超えます。
第2グループ(4位集団)が、角川書店・光文社・文芸春秋の3社ですが売上高300億円前後です。他に、教科書の東京書籍や官公庁出版のぎょうせいなども同じくらいの規模です。
ビッグ3も毎年売上高を落としているなかで、文芸春秋は突出して好調のようです。
文芸春秋は菊池寛が創立した歴史ある出版社です。芥川賞・直木賞を選定しますので、注目を浴びる受賞者があった場合には売上高が増えます。
直木賞は「本屋大賞」に押されて苦境と言えるようですが、芥川賞のほうで又吉直樹・羽田圭介という空前絶後の濃厚キャラW受賞が成功しました。
加えて、最近の好調の原因には「週刊文春」の独自スクープによる部数増があると思われます。
ただ、ちょっと最近はやり過ぎているような気もします。
甘利明大臣を辞任に追い込んだ記事の場合は、贈賄側(会社か総務担当という個人かは?)を煽ったうえに、具体的にいろいろ手を貸しているようにみえます。
しかも、この建設会社を調べると公共工事の実態がないので、もしかしたら詐欺や恐喝を生業としていた可能性があります。
ゲスさんとベッキーさんの不倫の場合は、LINEの個人情報を曝露しています。
個人情報が覗き見できるケースがあることのほうが話題になっていますが、覗き見できるから見てもよいわけでもなく、ましてや公開してよいわけではありません。
今日は、小保方晴子さんの手記が講談社から出版されました。
ここでは文春だけでなく、NHKや毎日新聞、週刊文春のライバル週刊新潮などが取り上げられています。取材メディア側の売れれば何をしてもよい・読者が求めているのだから、少々の違法行為や乱暴狼藉は許されるという傲慢さはいかがなものか?と思います。
そのなかに、週刊文春からの取材依頼の文章が載っていて「・・STAPを書けば部数が伸びました。アンケートも毎週取っていますが、ずば抜けていい数字・・」だそうです。
当面の注目は、国会で野党側が甘利元大臣と事件関係者の参考人招致を要求している問題です。
元大臣と斡旋を依頼される側のURは招致に応じるでしょう。秘書は微妙です。過去に現在の野党側も秘書の招致を拒んだ実績があるので、あまり強くは言えない。贈賄側の社長と自称総務担当が招致に応じるのか?はムリっぽい感じです。
その後に特捜の捜査なんてなると、その場に立ち会ったり、証憑を入手した文春記者に証言が・・と困りそうです。
「好事魔多し」と申します。
文春に限らないのですが、仕事が予想以上に上手くいったときには、あまり浮かれないで社内のコンプライアンスを再点検するとよいです。