情報化社会は試行錯誤し続けるものが勝つ

少し前に「がっちりマンデー」という番組で、Kaizen Platform という会社が紹介されました。

 

インターネットの世界では、「コンバージョンレート (CVR)」が重要な指標だそうです。CVRとは、そのサイトにアクセスした人のうちで購入や申し込みをする割合のことといいます。

Kaizen Platform という会社は、サイトのCVRを上げる改善を請け負います。

 

番組では、ガリバーの中古車査定申込ページが事例に上げられています。

実は、夏にクルマを買い換えるときに、このサイトに申し込みをしていました。図らずも、ガリバーのCVRを上げることに貢献していたので、ちょっと”やられた!”って感じです。確かに、まぁ申し込んでみるか!?と、気軽に思わせてクリックを誘導する構成になっています。

 

もっとも、ガリバーの好さはサイトの構成だけではありません。「クリック」するや否や、速攻で案内の電話が掛かってきて、査定の日時がパンパンと決まってしまうというスピード感が半端じゃなかったです。ガリバーの業績が好いのもうなずけます。

 

さて、Webサイト改善で収益を伸ばすには、CVRを上げることで、CPA(顧客獲得単価)を下げることが必要です。このためには、PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを”早く”・”たくさん”回します。それは、簡単に言ってしまうと、

 

ガリバーの例で言えば、サイト画面のどこに・どんな文言で・どんな形態のバナーを配置したら、最も注意を引いて、申し込みにつながるのかという試行錯誤です。『無料』を強調するほうがよいのか?・『簡単』をアピールしたほうがよいのか?などなど

 

これを複数のサイトを立ち上げて、効果を把握しながら最もCVRが高いサイトに集約させていきます。このサイト改善で、ガリバーは2億円の売上増となったそうです。

 

工場やものづくりでも、改善活動ではPDCAサイクルを回していくのですが、実際に機械を改造したり手順を徹底するには手間とお金と時間がかかります。”早く”・”たくさん”は回せないので、事前の現状把握や計画づくりも欠かせません。

 

しかし、インターネットの世界ではとにかく「試行錯誤」を繰り返すことが有効です。

 

この試行錯誤を最も頻繁に行って成功しているのがGoogleです。その根本がA/Bテストです。

A/Bテストは、AとBの二つを両方試して、結果がよい方を採用し続けることで、最適化するというテストです。(Kaizen Platform の方法はA/Bテストの改善型)

ちょっと古い手元の資料では、Googleは2000年にA/Bテストに着手して、2011年には1年間で7000回のA/Bテストを実施したそうです。

 

今や、この種のテスト計画は人間(デザイナー)が関与しなくても、コンピューターが自動的におこなえるようになっています。試行錯誤の繰り返しで、クリックする人間の感情や癖に合わせた心地よいサイトが提供されていきます。