老子の教えは毎週日曜日に掲載しています。残っているは、第六章と第七章です。
年末ですので今日はこの二章を同時に紹介して、年内に連載を終えることにします。
先ず、六章です。
老子は、一貫して女性(母性)を偉大なものとして尊んでいます。
谷神不死。
是謂玄牝。
玄牝之門。
是謂天地根。
綿綿若存、用之不勤。
谷の神は死にません。
これを女性と言います。
女性の門。
これは天地の根源です。
いつまでも休むことなく、万物を生み続けます。
谷神は、「こくしん」と読みます。
「こく」は穀物に近く、谷神は人を養い育てる神のことです。
玄牝は、「げんぴん」と読みます。
玄は黒色の意味で、牝は女性の生殖器のことです。
2500年前は、生殖についての科学的知識は乏しく、人々は女性器を崇拝していました。
女性器が万物を生み出す根源であると考えていたのです。
老子は、一貫して女性(母性)を偉大なものとして尊んでいます。女性は温順さで男性を従え、柔弱さで頑健に勝るのだと言っています。皆さまも納得されることです。
「万物を生み出すのは母、天下の母は道」というのが、老子の基本的な考えです。
【大トリ】
成り行きで、最後になった8章です。
聖人は、「自分を捨てることで自分を生かす。」と言っています。社長の心がけも同じです。
天長地久。
天地所以能長且久者、以其不自生。
故能長生。
是以聖人、後其身而身先、外其身而身存。
非以其無私邪。
故能成其私。
天空はゆったりと広く、大地は昔から変わることがありません。
天地がゆったりと変わらないのは、天も地も自分のために生きていないからです。
自分のために生きていないから、いつまでも生きられるのです。
偉大な社長は、自分の身を後にするほど自然に先頭に立つことになり、自分の身を外にするほど会社の中心となるものです。
偉大な社長は無私無欲なのです。
そうして、最後には社長の目標は自然に達成されるのです。
・・・ 老子連載 完 m(__)m