老子の考えを経営に活かすならば、社長が意識して従業員を愛することはありません。慈しみの姿勢を強調することも無用です。社長は倫理的に正しい経営を自然に淡々と進めればよいのです。そうすれば、会社は健全に発展していきます。
それは、天と地の間には何もないのに、あらゆるものが育まれ豊かに実るのと同じことです。
天地不仁、以萬物爲芻狗。
聖人不仁、以百姓爲芻狗。
天地之間、其猶槖籥乎。※
虚而不屈、動而愈出。
多言數窮。
不如守中。
天地には慈しみはなく、万物をわら細工の犬のように扱います。
同じように社長にも慈しみは不要で、授業員をわら細工の犬のように扱いなさい。
天地の間は、鉄を鍛える“ふいご”のようなものです。
中は空っぽですがいつまでも働き、動いては新しいものを生み出します。
しゃべり過ぎると行き詰ります。
社長も、天地と同じように、自分を空っぽにして会社を鍛えていくのです。
※ 槖籥(たくやく)・・ふいご