建設機械の自動運転は、対象と直接接触します。飛行機や船の自動運転より難しそうです。
コマツの「スマートコンストラクション」の話を聞きました。
とても先進的で新鮮な驚きがあります。
コマツのHPには、入社1年目の女性社員がショベルカーで法面整形を3日間の実習をするだけで熟練運転者に匹敵する水準で完成させる様子など、多くの動画が公開されています。
飛行機や船、最近は自動車などにも、多くのICTやGPSの高度な位置制御が導入されています。極論すれば、運転者がいなくてもおおよその目的地まで連れて行ってくれたり、離陸・着陸を上手にやってくれたりします。
しかし、建設機械の場合は、空や海のように障害物の少ない空間を自由に走っているわけではありません。地面を平らにならす仕事でも、地面の硬さや傾斜、土壌の組成などもそれぞれ異なります。
スマートコンストラクションは、地面に対しての直接的な接触がありますから、ICTの活用と言っても困難さが高いように思います。
最初に、対象となる地面の状況を正確に把握して、データを取り込むことが必要です。しかし、建設現場の地面データが予め存在するわけではありません。
既に、ドローンを使った空撮という技術も導入されているようです。こうしたデータ収集には、画像を3D処理する技術の進歩が大きな貢献をしています。
次に、取り込んだデータをもとにして、最も適した運転操作をするわけですが、それには熟練した運転者の経験やワザの長所を十分に反映するようにプログラムされているそうです。
建設業界は慢性的な人手不足になっています。スマートコンストラクションの普及が、若者や女性でも、建設現場でベテラン並みの施工を可能にしていきます。今は、建設機械の運転席で音楽も聞けて冷暖房もついていたりします。建設業も、以前のような3K職場ばかりではありません。
こうして、これからも建設現場のデータの蓄積は進んでいきます。
次世代のスマートコンストラクションでは、ベテランの技をまねるだけでなく、施工現場に最適な運転を機械の側が考え出して指示をするようになるかもしれません。