老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第八十章です。
老子は、「小国寡民」の社会を理想としました。
現在の日本で言い換えれば、「多くの中小企業が自主自立して存在する」ような社会です。
老子の生きた2500年前の中国では、絶対的な君主が民衆に過酷な義務を課して、戦いに明け暮れていました。老子はそれを嫌っていましたから、正反対の世界を理想に描いていました。
小国寡民。
使有什伯之器而不用。
使民重死而不遠徒。
雖有舟輿無所乗之、雖有甲兵無所陳之。
使民復結縄而用之。
甘其食、美其服、安其居、楽其俗。
隣国相望、鶏犬之聲相聞。
民至老死不相往来。
(会社風に読み替えると・・)
私には小さな会社で従業員は少ないのが理想だ。
その会社では優れたリーダーの才能があっても用いることは無い。
従業員が苦労するような困難な仕事は受注しない。
仕事を拡大する方法があっても取らないし、ライバルを倒す方法があっても取らない。
従業員と交わした約束はきちんと守る。
それは、美味しい食事、清潔な制服、安らかな住まい、楽しい風習。
ライバルの会社とはお互いに様子がわかって、隣り合っているようなものだが、私の会社は自主自立しているので、老いて死ぬまでお互いに関わりはしない。
什伯之器 ・・多くを統率するリーダーとしての才能。
鶏犬之聲相聞・・お互いに鶏や犬の声が聞こえるほど近接していること。