老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第七十八章です。
老子のお得意の水にまつわる話です。
これまで、何度も言っているように、水のように柔らかくて弱いものに勝つことはできません。
実は、多くの人はすでにそのことを知っています。知っていますができないのです。
どうしても、自分の主張を無理に押し付けたり、相手を言い負かそうとしたりします。
この章で、老子は、何かの不祥事があったときに、それを引き受けるのは「社稷主」であり、罪をひきうけるものは「天下王」であると言っています。社稷の「社」は土地の神を祀った神社で、「稷」は穀物の神を祀った神社です。「社稷主」は守り神のような意味です。
どんな会社でも罪悪や不祥事に関連するときはあります。そのときにきちんと受け止めることのできた社長は会社の守り神となり、世界の王となります。A建材やM建設ではどうなるでしょうか?
天下莫柔弱於水。
而攻堅強者莫之能勝。
其無以易之。
弱之勝強、柔之勝剛。
天下莫不知、莫能行。
故聖人云、
受国之垢、是謂社稷主、
受国不祥、是謂天下王。
正言若反。
世の中には水よりも柔らかくて弱々しいものはない。
しかし,堅くて強いものが攻めても水に勝つことはできない。
それは、水に取って代わるものはいないからだ。
弱いものは強いものに勝ち、柔らかいものは頑丈なものに勝つ。
世の中でこれを知らないものはないが、実行できるものもない。
だから、聖人は言う,
国(会社)の汚名を受けるものは、国を守る主である。
国(会社)の罪を受けるものは、世界の王である。
正しい言葉ほど常識に反するものだ。