NHKラジオで「読書週間」について、岩谷書店の方がお話されているのを聞きました。
読書週間は毎年10月27日~11月9日(中心が11月3日の文化の日)の2週間。ことしの標語は「いつだって、読書日和」だそうです。
1年間に日本で出版される本は約8万点。読書市場(新刊+古本+図書館貸出)は約18億冊ということです。国民一人当り、年間14冊くらいの本を読んでいるという計算ですが、ちょっと少ないかも知れませんね。
今年は芥川賞に、お笑い芸人の又吉直樹さんの「火花」と、キャラの際立つ羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」という超話題の受賞があったので、読書週間は盛り上がりそうです。
ちょっと連想ですが、村上春樹さんがノーベル文学賞を受賞する可能性が毎年話題になっています。受賞していたら「読書週間」はもっと注目されたでしょうに・・。ちょっと残念。
このノーベル賞を1921年(物理学賞)に受賞したアインシュタインは、本をほとんど読まなかったそうです。また、自分の論文に他人の論文を引用することも、極めて少なかった。
アインシュタインの書棚には10冊ほどの本しかなく、最もよく読んでいたのは『ユークリッド原論』と『ニュートン物理学』だったとか・・。ユークリッド幾何学を否定し、ニュートン物理学をひっくり返して、科学に革命を起こした偉人のエピソードとしては興味深いですね。
さて、『ユークリッド原論』は、2300年ほど前のギリシャで書かれた幾何学の教科書です。現在まで、23世紀に渡って通用している本ということは驚愕ですよね。
古今東西で人類に最も大きな影響を与えた書物は何かという疑問の答えとしては、「聖書」や「論語」よりも正解に近いかも知れません。
『原論』は、13巻に分かれていて、10個の公理と465個の定理が記述されています。
公理とは、「同じものに等しいものはまた互いに等しい」(A=BでA=CならB=C)とか、「等しいものに等しいものを加えると全体は等しい」(A=BならA+C=B+C)とかです。
定理では、有名な「直角三角形の直角に対する辺の上の正方形は直角を挟む二辺の上の正方形の和に等しい」(三平方の定理:ピタゴラスの定理)とか、「等しい底辺をもちかつ同じ平行線の中にある三角形は互いに等しい」とか、が記述されています。
読書の秋です。小説でも学術書でも、スマホやPCを置いて、紙の本を読んでみましょうか。