中小建設業はマイナンバー制度に要注意!

今日からマイナンバー制度がはじまりました。中小建設業は最も影響が大きい業種です。

 

マイナンバー制度は、社会保障と税を一元管理する仕組みです。

 

制度そのものは、騒いでいるほど複雑なものでも危険なものでもありません。マイナンバーが他人に知られても、不利益なこともありませんから、忘れないように手帳やノートにたくさん書きこんでいても問題ありません。情報漏えいのリスク云々が喧伝されていますが、そもそも給与台帳が公開されたりしたらマイナンバーの有無に関わらず問題です。

 

 

マイナンバーは会社に届ける必要があるので、事務に携わる多くの人が知ることができます。でも、マイナンバーは社会保障と税に関することにだけ使用されて、少し乱暴に言えば保険料と税金の支払いにだけ使われます。誰も、あなたのマイナンバーを使って代わりに保険料や税金を払ってあげようとは思いません。

 

「マイナンバー制度は、正しく社会保険に加入して、正しく税金を納めている人には何も問題は無い。手間が省けて、便利になるだけだ。」という説明は間違っていません。

何故、「正しく」ないといけないかは、不正をする人や脱税をする人がいると、公正・公平が保てないからという説明です。本当のところは徴収する金額を増やすのが目的で、数兆円から十数兆円が増えるだろうと言うことです。

 

「正しく」には、社会保障や税の対象となる個人が特定されていることが必要なので、マイナンバーが導入されるのですが、中小建設業の場合はこの時点でかなり厳しくなります。また、社会保険の未加入対策が道半ばの状況にあることも問題です。中小建設業の労働者で、3保険(雇用保険・健康保険・厚生年金)にフル加入しているのは約6割(未加入が4割)に過ぎません。

 

中小建設業では、マイナンバー制度の導入は経営改善の入り口です。但し、改善が進むかどうかは、元請であるゼネコン・施主となる国や自治体、それに社会の理解があってこそのことです。

度重なる災害などで、建設産業が国の基礎であることは周知されてきました。この機会に、もっと声を上げていきたいところです。

 

☞ 内部リンク 「建設業のマイナンバー制度の留意点」