音は空気を媒質にして伝わっていきます。音の強さの単位はデシベル(dB)です。
音の強さは、単位面積当たりの音のエネルギーが基準になるのですが、範囲が広すぎてわかりにくいのでデシベル(dB)という相対単位を使います。
例えば、50dBと53dBでは、差は3dBですが音の強さの差は2倍、50dBと60dBでは、差は10dBですが音の強さは10倍になります。
騒音レベルの目安では、住宅街が40~50dB・オフィス内が50~60dB・乗用車内で60~70dB・地下鉄内で70~80dBくらいです。工場などの作業環境では90dBが規制の上限値です。
大音響のミュージックスタジオ内では、110dB以上で最大125dBとか言われますが、人間が耐えられる限界に挑戦しています。このレベルの音を聴き続けていれば、必然的に聴力に障害が発生します。これより大きな音に、人間は耐えられません。
日本で一番大きな155dBの音を出す装置はJAXAにあります。その音を聴いているのは、試験中の人工衛星です。人間が耐えられる限界の125dBと155dBの差は30dBで、音の強さは1000倍になります。このレベルは、「音」ではなくて「衝撃」ですね。
宇宙には空気が無いので音もありませんが、地球の大気圏を飛び出すまでの間は大きな音にさらされるわけです。それに十分に耐えられるように製作されていることを確かめるわけです。
さて、人間の聴力は鍛えれば強くなるというものではありません。作業環境における騒音対策は働く人を守るために重要です。最終は防音保護具の着用といった手段になるのですが、発生源対策が万全にできているのか、よく観察してみましょう。