天網恢恢疎にして漏らさず・・社長のための老子(65)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第七十三章です。

 

この章は、最後の「天網恢恢、疎にして漏らさず」がとても有名です。

一般的な意味としては、以下です。

天が悪人を捕えるために張りめぐらせた網の目は粗いが、悪いことを犯した人は一人も漏らさず取り逃さない。天道は厳正であり、悪いことをすれば必ず報いがある。

 

要するに、「お天道様はお見通しだ!」ということです。

ただ、実際には、それほど厳しい内容ではありません。

無理なことをしたり、好んで争いを仕掛けたり、虚言でたぶらかしたり、強要をしたり、慌てて実行したりしても、最後は失敗するんだよ。と言っています。

 

勇於敢則殺、勇於不敢則活。

此両者或利、或害。

天之所悪、孰知其故。

是以聖人猶難之。

天之道、不争而善勝、不言而善應、不召而自來、繟然而善謀。

天網恢恢、疏而不失。

 

不安だが無理して立ち向かっても失敗して、無理なく立ち向かったら活躍できます。

この両者は、一つは成功で一つは失敗です。

天が何を悪いと判断したのか、その理由はよくわかりません。

道理をよく知る聖人であっても、この理由を知ることは難しいものです。

天の道は、争わないでよく勝ち、何も言わなくても相手が応じ、招かないのに相手が自らやってきて、ゆったりとしているのに計画的であることです。

天の網は広大であり、目は粗いのですが何ものも取り逃すことがありません。