敵に譲り、守りを固める・・社長のための老子(61)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第六十九章です。

 

自社と同じ程度、あるいは自社より強い競争力のある競争相手とは戦わないことです。

少々のシェアなら譲ってでも、守りを固めて争わないことを奨めています。相手が、自社のシェアを奪おうとしてきた場合、相手側はそれなりに無理をしています。

 

例えば、価格を下げてシェアを取るとか、新製品を投入してくるとかです。しかし、価格を下げれば相手は利益を失いますし、新製品の開発には費用が掛かりますし、いろいろな危険も伴います。

そんなとき、自社も対抗措置をとって戦うのではなく、守りに徹して様子を見守るのが、最後に勝つことになると言っています。

一つの方法として、頭に入れて置くとよいですね。

 

用兵有言、

吾不敢爲主而爲客、

不敢進寸而退尺。

是謂行無行、攘無臂、扔無敵、執無兵。

禍莫大於軽敵。

軽敵幾喪吾宝。

故抗兵相加、哀者勝矣。

 

経営戦略について言われることに、(同じような力の相手と競争するときは)

敢えて競合他社と競争を挑むことは無く守りに徹して、

敢えてシェアを奪おうとせずに、少々競合に譲るという戦略がある。

競合他社を倒すような計画は立てず、意思も見せず、姿勢も取らず、行動もしない。

競合他社を軽く見るほど、自社を危なくすることはありません。

競合他社を軽く見た多くの会社が自社に大切な宝物を失っています。

つまり競合他社と同じような力ならば、譲った側が最後には勝つものです。