放射能と太陽光発電の関係

放射能の量をあらわす単位:ベクレルはよく知られるようになりました。太陽光発電の原理を最初に発見したのもベクレルです。【要注意!本文を読んでね】

 

放射能に関わる単位では、量をあらわすベクレルと、放射線の影響をあらわすシーベルトの二つがマスコミなどでよく出てきます。

 

放射性核種によって同じ放射能の量でも人体に与える影響が異なります。そこで、核種毎に放射能の量(ベクレル)に、その核種の実効線量係数を掛けて合計したものがシーベルトになります。

 

ベクレルという単位は、ウランから放射線を発見したアンリ・ベクレルというフランス人物理学者に由来します。ときに1896年のことです。

ウラン以外の元素から放射線を発見したのは、ご存知のキュリー夫妻です。

ベクレルは、1903年にキュリー夫妻とともにノーベル物理学賞を受賞しています。そして、キュリー夫人と同じく、放射線障害で亡くなったと言われています。

 

原発事故の影響もあって注目される太陽光発電ですが、その原理を発見したのは、アレクサンド・エドモン・ベクレルです。アンリ・ベクレルの父にあたり、1839年のことです。

 

ベクレル(父)は、塩化銀の溶液に浸した2つの白金電極に光を当てると電圧が発生することを発見しました。これが光起電力というもので、太陽光発電の基本原理です。その後、ベクレルは蛍光灯を考案するなど多くの業績を上げています。

 

ベクレル(子)が、ウランから放射線を発見したのは、父の跡を継いで蛍光の研究をしていた過程のことです。偶然の発見でした。これが、太陽光発電と放射能の不思議な関係です。

 

ちなみに、このベクレル家は、この親子以外にも多くの科学者を輩出しており、長くフランス科学界を一家で牽引しています。主なところでは・・

アントワーヌ・ベクレル(祖父):電気化学

ルイ・アルフレッド・ベクレル(叔父):医学

ジャン・ベクレル(孫):物理学(光磁気)

ジュール・ジャマン(義父):物理学(ジャマン干渉計)

などです。