土木と宇宙の関係

問題です。「土木と宇宙には、どんな関係があるでしょうか?」

 

解答は、「どちらも、中国の古典"淮南子(えなんじ)”に由来する言葉です。」

 

”淮南子”は、前漢の高祖・劉邦の孫である淮南王・劉安がまとめた思想書です。基本的なところは、老子や荘子の考え方を踏襲しています。つまり、自然を大切にして自然に従って生きることを目指すことを奨めています。

 

淮南子のなかには、今でもよく使われる故事がいくつも記されています。

「人間万事、塞翁が馬」・「渇しても盗泉の水は飲まず」・「蟷螂の斧」・「一葉落ちて天下の秋を知る」・「一致団結」・「鹿を追うものは山を見ず」・・などなどです。

現在の日本においても、活かしていける教えが書かれています。

 

その淮南子のなかに、『国民を冬の寒さや夏の暑さから守るために聖人は「土を築き、木を構え」て家屋を建てなければならない。これによって、国民は安心して暮らせるようになる。』ということが書かれています。この”築土構木”が、土木の語源です。

 

また、同じ淮南子のなかに、「往古来近、これを宙という。四方上下、これを宇という。」と書かれています。つまり、現在過去未来という”時間”を宙、3次元の”空間”を宇 というわけです。これが、”宇宙”の語源です。

 

土木の仕事は、古来聖人の大切な行為でした。宇宙も、もちろん人類にとって共有するべき大切な存在です。土木と宇宙は、共に淮南子にルーツがある言葉なのです。

 

建設業に携わる全ての人は、プライドを高く持って、よい仕事をしなければなりませんね。