今日もあんまり暑いので、一時期は流行っていたヒートアイランド対策としての「屋上緑化」のお話です。
東京でも、本当に一時期は屋上緑化や壁面緑化が大ブームになっていました。今でも、湾岸部などの洒落た新築ビルで採用しているところも多いのですが、ブームは収まってきたようです。
きっかけは東日本大震災だったと思われます。屋上に重い土と植物を置いたり、落下の恐れのある容器を壁に取り付けたりすることに心配が湧きました。
また電力不足と再エネ推進という意味で、屋上を緑化するより太陽光発電を導入するという動きになりました。
屋上緑化や壁面緑化は心理的に清涼感を与える効果はあるのですが、どうもヒートアイランド対策にはあまり適当ではないということが判ってきました。
東大の生産技術研究所が、流体力学に基づいて非常に精密な計算をしています。簡単に言えば、屋上緑化(植物の呼吸)によって顕熱を潜熱に変える効果は、上昇気流の減少によるマイナスと屋上緑化を維持管理するためのエネルギー(熱)で相殺されてしまって、効果はあるのですが予想するよりはとても小さいということです。・・これに似たことはよくあって、プラス効果分だけに目がいってマイナスを相殺するのを忘れがちです。
ということで、ヒートアイランドに効果がある緑化は、維持管理のエネルギーが小さく、木陰をつくって地面(アスファルト)の温度も下げる地上緑化です。<まぁ、当たり前ですが・・>
現在では、屋上緑化に変わるものとして.建物の屋上や壁面に高反射性塗料や保水性のある光触媒塗料を施工する例があります。イニシャルコストも安くて、管理費用も不要ですが屋上緑化と同じ程度の効果があるそうです。(ヒートアイランドに関してはです。)
もっと効果があるのは路面です。保水性舗装や着色舗装に変えたり、高反射塗装をする、最近では再生水を利用した散水(打ち水効果)をおこなうことで、ヒートアイランド対策は大きいようです。
☞ すみません。ちょっと宣伝を兼ねてですが・・・
戸田工業は「CSファルト」という舗装用着色材料を販売しており、工場でも施工しました。
本来の目的は景観改良やレーン識別なのですが、これが意外に路面温度を下げます。
路面の色が黒系から明るい色に変わることで反射が大きくなる効果なのだろうと思います。
小規模施工が可能ですので、よろしければ、お問い合わせください。
今週いっぱいは暑い日が続きそうですので、強い気持ちで頑張りましょう。