老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第六十五章です。
この章は、老子が「愚民政治」を目指していたということで、評判が悪い章です。
いろいろな解釈はあるのですが、民衆が賢くなり過ぎないようにと願っていたことは事実です。
但し、同時に48章にあるように為政者のほうにも「無為の政治」を推奨しています。つまり、「学問をして知識技能を増やすのではなく、道を学んで知識技能を毎日毎日減らしていきなさい。最後には何の知識技能もなく自然に従うようになりなさい。」と言っています。
愚かな社長が愚かな社員と一緒に会社を経営するのが、優れた会社になる方法だということです。
かなり皮肉な話ですが、「倫理的に正しいことを、市場や顧客の役に立つことだけを考えて、自然に無理なく実践していく」だけでよい会社になるということです。
役に立たない理屈ばかりで現場を知らない社長や、手練手管で不正に手を出す幹部、頭はよいけど文句ばかりの社員だと、会社はつぶれちゃいますね。
古之善爲道者、非以明民、將以愚之。
民之難治、以其智多。
故以智治國、國之賊。
不以智治國、國之福。
知此兩者、亦楷式。
常知楷式、是謂玄徳。
玄徳深矣、遠矣、與物反矣。
乃至於大順。
昔の道理を知った名社長は、社員にすべてを明らかにしないで、愚かなままにしました。
社員をたばねていくことは、情報が多すぎると難しくなります。
会社を知識や理屈で経営するのは、会社に損害を与えます。
知識や理屈無しに経営するほうが、会社は繁栄をします。
この二つのことを知ることが、成功の法則です。
この成功の法則をいつも気に掛けていると、優れた会社になります。
優れた会社は、奥深くて遠大ですが、素朴に本来の場所に帰ります。
こうして、優れた会社は、大きな自然に従うので、うまくいくのです。