bio-mimicry は、生物を模倣することを言います。ここから、多くの先進技術が生まれます。
製品開発のネタに困ったら、生き物を観ながら考えてみると意外なアイディアが生まれてくるかも知れません。バイオミミクリー(生物模倣)の事例はたくさんあります。
有名なところでは、サメのウロコの形状から高速水着ができましたが、速く泳げ過ぎて禁止になりました。最新の映り込みの少ないスクリーンは表面に微細は凸凹を付けていますが、これは蛾の目のの構造から発想したそうです(蛾の目は光を反射しない)。ザトウクジラのひれの形を真似て、弱い風でも発電する風力発電の羽根ができたそうです。
500系新幹線の先端部はカワセミのくちばしで、パンタグラフはフクロウの羽根の形状を真似ています。高速走行が可能になり、風切り音などの公害も発生させません。
考えてみれば、38億年もの間を掛けて少しづつ進化して変わっていった生物ですから、人間が考える以上にいろいろな工夫を秘めているようです。そのアイディアを拝借して、模倣することで素晴らしい製品が生まれます。ものづくりに関わる人は、生き物にも目を向けるとよいですね。
ネット検索しても記事はいっぱいあります。平易な参考書籍もたくさん出ています。
さて、ラジオの子ども科学相談で、小1か幼稚園くらいの小さいお子さんから「バッタはなぜあんなに遠くまで跳べるの?」という質問がありました。
何となく、「敵に襲われたら怖いから一生懸命に逃げるためだよ」のようなかわいい答えをするのかと思って聞いていました。
実際の、先生(関西弁の方)の答えは・・・
「バッタの筋肉とヒトの筋肉の動きは違うの。ヒトの筋肉は縮んだり伸びたりするけど、バッタの筋肉はバネのようにグ~っと縮めたらパチンと急に伸びるようになっているの。だからバッタを捕まえたら両足をつまんで観てください。お米をつく杵のようにバッタが動きます。それは筋肉のバネが動いている様子なの。”米つきバッタ”なんて言い方もするの。
それから、バッタが跳べるのは足の筋肉だけではないの。関節にも秘密があって、ここにレジリンというものがあるの。これは、グッと縮んでパッと伸びるの。
つまり、バッタが跳んでいるのはヒトとは違う働きなの。バッタはどんどん続けて跳ぶことはできないの。だから、翅(はね)も使って一回に10メートルも向こうまで跳ぶの。
グッと力を入れて、縮めたりカタチを変えていて、離したらパッと元のカタチに戻るものって、何か知っている?・・そうそう、ゴムひもなんかと同じよね。・・」
いろいろ目からウロコです。