問題は小さいうちに解決する・・社長のための老子(56)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第六十四章です。

 

この章では二つのことを言っています。

一つは、問題は小さいうちに対処しなさい。

二つは、自分の欲のために成功を求めてはいけない。

・・耳の痛いことです。

ただ、ここまで割り切ると何もできなくなってしまうかも知れません。

中段にある 「挑戦を成功で終わらせるには、初心を忘れず慎重に仕事を進めなさい」ということを教訓にすることかと思います。

 

其安易持、其未兆易謀、

其脆易破、其微易散。

爲之於未有、治之於未亂。

合抱之木、生於毫末、九層之臺、起於累土、千里之行、始於足下。

爲者敗之、執者失之。

是以聖人、無爲、故無敗、無執、故無失。

民之從事、常於幾成而敗之。

愼終如始、則無敗事。

是以聖人欲不欲、不貴難得之貨、學不學、復衆人之所過。

以輔萬物之自然、而不敢爲。

 

安定しているときは仕事はやり易いし、トラブルの兆しがないときは計画も立て易いものです。

問題が脆いうちなら解決し易いし、小さな問題なら対処し易いものです。

だから問題が大きくならないうちに処置し、混乱する前に手を打ち治めることです。

抱えるような大木でも小さな芽から育ち、高層建築でも土を盛ること、千里の道でも足下から始まります。

成功しようとすれば失敗し、儲けようと思えば損をします。

立派な人は、成功しようとしないから失敗せず、儲けようと思わないから損をしないので、立派だと言われます。

社員が成功をしたいと何かに挑戦すれば、たいがいは最後には失敗します。

ただし、初心を忘れず慎重に仕事をすれば、失敗をしないで済みます。

立派な人が失敗をしないのは、欲を持たず、高望みな収益を望まず、無駄な知恵を使わず、他人の失敗を見て学び繰り返さないからです。

あらゆる自然に逆らわず、邪魔をすることがなければ成功します。