宇部市の中心地に山口大学医学部があり、ドクターヘリの発着を見ます。
近くを歩いているときに着陸してくるのを見ましたが、結構な迫力です。離陸している様子もクルマから見たこともあります。
HPを見ると、出動実績が2年間で412回ということですから相当な頻度ですね。
ちなみに、山大医学部は宇部・山陽小野田消防と協力して、ドクターカーも運用しています。
こちらの出動実績は、昨年1年間で126件ということです。ヘリのほうが頻度が高いことがわかります。
ドクターヘリは、山口県内でこの1機だけですが、30分で全県をカバーできることが凄いです。
但し、ドクターヘリの弱点は台風など荒天では飛べないことです。市街地の大学病院に着陸する様子は晴天の日でも、ちょっと恐ろしいので風が吹けばNGでしょう。更に、致命的なのは夜は飛べないということです。
山口県では昔「県都1時間構想」というのがあって、山口市から自動車1時間で県内全ての役所に着くように道路整備をしました。現在、島にある役所を除けばほぼ達成しています。
つまり、山口市にドクターカーを置けば1時間で全県に到着できる。現在は、宇部市・山口市・下関市・周南市などにドクターカーが配備されていますから、搬送だけを考えれば、ドクターカーで30分をカバーできている範囲はかなり広そうです。
問題は、受入病院施設と医師が確保できるかということです。
山口県の人口は現在140万人ですが、これからも年々減り続けて、2040年には107万人になるという推計です。過疎地が増えてい、地域に診療所が無い地域も多く、政党事務所に『〇〇地区に診療所を!』という立て看板が掛かっています。
現実的に、地域ごとに診療所を設けることはできないと思います。仮に診療所があっても救急医療を担うことは、医師や看護師に過大な負担を強いることになります。
救急医療が必要な病気の場合、最初の数時間が貴重です。総合医療施設の整備とドクターカーの配備を進めることが必要でしょう。
都会では救急車をタクシー代わりに使うことが問題になっています。でも田舎では、かなりヤバい状況でも我慢して救急車を呼ばない人(特に高齢者)のほうが問題です。また、一人暮らしや老老介護家庭で、救急車を呼ぶ電話を掛けれなかったケースもあります。
この通報する側でのシステム整備をどうするかも大切な課題です。