ギリシャのチプラス首相は「借りた金を貸した側が返せと言うのは、借りた者を侮辱する暴挙だ!」と言いだしました。
国にしても、会社にしても、個人であっても、同じだと思います。
「借りた金は返す」「返せない金は借りない」というのは、基本です。
この声明を読む限り、誰もギリシャを援けようという気持ちにはならないでしょう。
「借りたお金は心を入れ替えてなんとか返すように努力するので、少しの間待ってください。」というのが、普通ではないかと思います。そうすれば、確かに貸した側にも責任が無いわけではないので、じゃあ何とか考えましょうとなります。
それを、「借りた金を返せというのは侮辱だ」「返せない金を貸したのが暴挙だ」と開き直られると、だれも共感できなくなります。もともと親密な関係であった、親戚や友人たちでもです。
ギリシャのユーロ圏離脱がどのような影響を与えるのかを考察する能力はありませんが、チプラス首相に国を統治する素養がないことだけは確かです。
テレビで観る印象ですが、チプラス首相は40歳と若いうえにネクタイはしないというポリシーだそうで、いつもニヤニヤしていて礼儀知らずに見えます。欧州に限らず伝統的な価値観とは少し相容れない感じです。
今年1月の総選挙で第一位(300議席中149議席を獲得)になった急進左派連合のトップです。同じく反緊縮を掲げる「独立ギリシャ人」党(右派)と連立政権を組んでいます。民主的で公正な選挙で選ばれた政権であり首相です。
何故ギリシャ国民はこの首相を選んだのか少し不審です。実際は、急進左派連合がこの総選挙で獲得した得票数は全体の36%でした。国民の36%の支持でほぼ50%の議席を確保できたのです。
この原因は、得票率1%以上の政党だけでも10の政党が乱立した選挙戦にあります。(議席を得たのは7政党でした。)
政党に対して投票する選挙で政党が乱立するとこんなおかしなことになります。
日本でも同じです。わたしが子どもの頃だと、自民・社会・民社・共産・公明の5つの政党でそれぞれ素性が確かで主張が分かりやすかったと思います。今は、名前を聞いても素性も主張も、何が何やら判らなくなってきました。
現在の安倍自民党政権も、昨年末の総選挙での得票率は50%未満でした。この事実を忘れずに、礼儀正しく、謙虚な運営をしていくことが望まれます。