老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第六十章です。
第六十章では、冒頭の『大国を治むるは、小鮮(しょうせん)を烹(に)るがごとし。』が、有名です。「国家を統治するには、小さな生の魚を鍋で煮るようにしなさい。」と言っています。
小さな魚を煮るときに、無闇に突っついたり、かき混ぜたりすると身が崩れてしまいます。
つまり、国や会社を統治するときには、厳しい規則で縛ったり、細かすぎる指示を出したり、賞罰を乱発するなんて、余計なことはしないほうがよいということです。
「鬼」・・道理に従わない者
「神」・・(理解できない)不思議な力
治大国、若烹小鮮。
以道莅天下、其鬼不神。
非其鬼不神、其神不傷人。
非其神不傷人、聖人亦不傷人。
夫兩不相傷。
故徳交歸焉。
会社の経営では、社長がは余計な手出しや口出しをしないほうがよい。
社長が道理に従って会社を経営していれば、違反する者が力を持つことはありません。
違反者は力を持たないだけでなく、力があっても他人の邪魔はできません。
力があっても人の邪魔ができないうえに、道理を守る者も他人の邪魔はしません。
つまり、違反する者も、守る者も、どちらも他人の邪魔はしません。
こうして、(社長が道理にしたがって正しい経営をするならば)全ての社員が道徳に従った仕事をすることになります。