鳴き砂とブーミングサンド

山口県に「鳴き砂」でできた海浜が、10か所ほどはあるそうです。

 

鳴き砂は、浜辺を歩くとキュッキュッと音が鳴る砂のことで、不純物が含まれていない石英質の砂です。有名な鳴き砂の浜は、島根県仁摩の琴が浜、京都府網野の琴引浜、宮城県気仙沼の十八鳴浜(くぐなりはま・・キュッキュッだから”9+9=18”なんだって)、などですが、山口県にも萩の小原浜などがあります。

 

主に、北陸から九州までの日本海側と東北の太平洋側に分布していて、約200か所ほどあるそうです。不純物が含まれると、鳴かなくなりますから、海が汚染されていないことの証になります。鳴き砂の浜を減らさないようにしていかないといけません。

 

世界では、砂漠の鳴き砂というのもあって、「ブーミングサンド(とどろく砂)」と言われます。世界の有名なブーミングサンドの砂漠や砂丘としては、アメリカ・ネバダ州のサンドマウンテン、カリフォルニア州のケルソ砂漠、中国の敦煌、ナミビアのナミブ砂漠などです。

 

昔の人は、これらの砂漠を旅すると不気味な音が鳴り響くのを聞いて、悪霊の呪いだと怖れたそうです。巨大な砂山が音を出して、数十キロ離れた場所からでも聞こえるのだとか・・

 

 鳴き砂のキュッキュッという音は高音で短時間なので可愛らしいのですが、ブーミングサンドの音は低音で比較的継続時間が長くて重々しいのだそうです。砂が音を出すことは変わりないので、基本的な原理は同じなのですが、その機構が異なるのだそうです。但し、詳しいところははっきりとは判っていなくて、実験室で再現することができません。未だにミステリーの部分が残っています。

 

仕事で長年取り扱ってきましたが、粉体はとても便利で身近にあるのに、よくわかないところがたくさんあって、ときには厄介なものでもあります。