規則で縛りつけてはいけない・・社長のための老子(49)

老子の教えは毎週日曜日に掲載します。今日は、老子第五十七章です。

 

以正治国、以奇用兵、以無事取天下。

吾何以知其然哉。以此。

天下多忌諱、而民彌貧。

民多利器、国家滋昬。

人多伎巧、奇物滋起。

法令滋彰、盗賊多有。

故聖人云、

我無爲而民自化。

我好靜而民自正。

我無事而民自富。

我無欲而民自樸。

 

1行目ですが・・

正を以って国を治め:正直な政治で国を治める

奇を以って兵を用い:重点的に兵力を用いて(奇をかたよりの意味として)

無事を以って天下を取る:何事も無理をしないで天下を統一する

 

老子48章にも「取天下常以無事」とあります。

老子は当時としては珍しく、戦争をして勝つことを嫌っています。正直に国を治めていたら、

相手の手薄なところを攻めて戦果を上げて、あまり無理しないで勝ちたいと思っているようです。これで本当に大丈夫か?は心配もありますが、あまり絞り上げないで、みんなが自発的に動くことが、勝ちにつながると知っていたようです。

 

【意訳】 

私は、正直に会社を経営し、重点事業に力を集中させて、

自然の流れのままに会社を業界№1にしようと思います。

私がそうできると知ったのは、次のような事情からです。

何かを制限する規則が多くなると、社員は不自由で貧しくなっていきます。

社員が新しい技術の習得に励むほど、会社の先行きが判らなくなります。

細かい技術を持った者が増えていくほど、怪しげなものが創られていきます。

規則で厳格に規制をしようとすると、不誠実な者がたくさん現れてきます。

だから、業績をあげる社長は言います。

我が社では、社長が無理な指示をしないので、社員が自分で変わっていきます。

社長が平静を好むので、社員は自然に正しいおこないをします。

社長が特別なことをしないので、社員は気付かないうちに豊かになります。

社長が欲を張ったりしないので、社員はいつも一生懸命に仕事に励みます。